香港にはおいしいものがたくさんあるが、ド定番のひとつとして「ローストグース(ガチョウのロースト)」は欠かせない。そんなローストグースが味わえる店として、いま香港で話題のレストランが「甘牌燒鵝 Kam's Roast Goose」だ。2015年版と2016年版でミシュラン一つ星を獲得した店ではあるものの、1,000円以下のメニューもそろえているような誰でも気軽に楽しめる"庶民的な店"として愛されている。今回、香港政府観光局主催のプレスツアーで訪れてみた。

香港のおいしいローストの数々。シェアしながら食べるのが香港スタイルだ

香港ナンバーワンの名店の孫が経営

甘牌燒鵝へはMTR灣仔(ワンチャイ)駅から徒歩約5分。A4出口から続く軒尼詩道(Hennessy Road)に面したところに店を構えている。ミシュランマンの姿が見えたらそこが甘牌燒鵝だ。開店から1年も経たない内にミシュランの仲間入りを果たしたレストランで、香港ナンバー1と呼び声も高いローストグースの香港老舗レストラン、「○記(ヨンキー)」(○は「金庸」を1字で)創業者の孫が経営している。

軒尼詩道に面した「甘牌燒鵝 Kam's Roast Goose」。ミシュランマンもお出迎え

さて、本命のローストグース「甘牌燒鵝」(ハーフ255香港ドル・約3,950円、1匹490香港ドル・約7,600円)だが、みんなの狙いは同じらしく、日によっては予約なしでは食べられないというほどの人気メニューになっている。絶対食べたいという人は、予約をしておくことをオススメしたい。

ローストグース「甘牌燒鵝」(ハーフ255香港ドル・約3,950円)はボリューム満点

ハーフと言えでも結構なボリュームで、グースの照り具合がまた食欲をそそる。口にふくめばジューシーな脂が口いっぱいに広がり、「ずっとかんでいたい」と思ってしまうほど、かむ度にうま味が感じられる。たっぷりかかったタレは甘酸っぱく、グースの脂とも相性抜群だ。ちなみに、ご飯の上にローストグースがのった「甘牌燒鵝飯」は、48香港ドル(約740円)というお得な価格設定。ランチにもピッタリである。

ポークも味わいそれぞれ

もちろんメニューはローストグースだけではない。今回は人数も多かったので、ローストポーク「肥○叉焼」(○は「火農」を1字で、レギュラーサイズ140香港ドル・約2,170円)にBBQローストポーク「蜜汁叉燒」(55香港ドル・約850円)、そして、子豚の皮のロースト「化皮乳猪」(レギュラーサイズ145香港ドル・約2,250円)をみんなでシェアしながらいただいた。

「肥○叉焼」(○は「火農」を1字で、レギュラーサイズ140香港ドル・約2,170円)

同じポークとは言え味わいはそれぞれ。一番オーソドックスなのは肥「火農」叉焼だが、ちょっと甘みが強いローストポークが好みなら蜜汁叉燒を、パリッとした皮の脂を堪能したければ化皮乳猪をチョイスしてみるといいだろう。個人的には、化皮乳猪に付いてくる梅が効いた甘酢ダレがまたおいしく、これだけでご飯がススムことを確信した。なお、白飯は24香港ドル(約370円)なのであわせてどうぞ。

「蜜汁叉燒」(55香港ドル・約850円)

「化皮乳猪」(レギュラーサイズ145香港ドル・約2,250円)は梅香るタレとともに

ちなみに、香港でビールと言えば「青島○酒(○は「口卑」を1字で、チンタオビール)」である。レストランでの提供はもちろん、ホテルのミニバーなどでもチンタオビールは必ずと言っていいほど備えられている。香港にはお茶の文化があるためか、香港の人々はお酒を飲むとしても付き合い程度ということ多いようだ。しかし、おいしい料理があればやっぱりビールが側にほしいもの。甘牌燒鵝にもチンタオビールが24香港ドル(約370円)があるのでご安心を。

店内の壁画も温かいタッチで親しみがもてる

※1香港ドル=15.5円で換算。記事中の情報は2015年10月取材時のもの
※取材協力: 香港政府観光局