開催中の第28回東京国際映画祭で27日、『劇場版 MOZU』(11月7日)のトークイベントが東京・六本木ヒルズアリーナにて開催され、ドラマ版からのメンバーである主演の西島秀俊、香川照之、真木よう子、池松壮亮、杉咲花、劇場版からの参加となるビートたけし、伊勢谷友介、松坂桃李、そして羽住英一郎監督が登場した。
同作は、逢坂剛氏の警察小説『百舌シリーズ』をTBSとWOWOWの共同制作でドラマ化した『MOZU』の劇場版。主人公・倉木(西島秀俊)が妻の死の真実にたどり着いてから半年後を描き、すべての事件の黒幕である"ダルマ"(ビートたけし)との対決が繰り広げられる。
イベントには、事前募集で集まった300人が駆けつけ、キャスト8人と監督が登場すると大興奮。熱気に包まれる中、主演の西島は「ついに『劇場版 MOZU』で集大成として完結する。監督にも振り切ってやってくれと言われたので、これで決着をつけるつもりでやりました」と本作への思いを語り、「すばらしいキャストのみなさんが命がけの撮影をし、見応えのあるすごいアクション大作になっているので、楽しみにしていてください」と自信をのぞかせた。
そして、北野武監督作『Dolls』で主演を務め、今回ビートたけしと念願の共演を果たした西島は「僕を見いだしてくださった恩人で、僕の中で心の師匠」と感謝し、「その方と俳優として共演できたことは、僕の俳優人生の中で一番の宝のような時間でした」と感無量の表情。そんな西島の話を聞き、たけしは「着実に実力をつけて人気も上がって、日本を代表する役者になったのに、私に一銭もお礼をくれないという、非常に不義理なやつだと思っています」と爆笑を誘った。
西島はまた、フィリピンでの撮影について「日本では考えられないようなカーアクションをやったり、毎日戦場のようだった」とコメント。「僕も肋骨にひびが入ったり、右肩を壊したり、右目の角膜をはがしたり…実際過酷で体がボロボロになった」と明かすと、ファンから「えーっ!」とどよめきが起こった。それでも西島は「それがすごく楽しかった」と笑顔を見せ、達成感をにじませた。