東京・銀座の歌舞伎座で26日、「第28回東京国際映画祭プレゼンツ 歌舞伎座スペシャルナイト」が開催され、山田洋次監督とジョン・ウー監督のSAMURAI賞の授賞式に、吉永小百合と大友啓史監督がサプライズゲストとして駆けつけた。
昨年創設されたSAMURAI(サムライ)賞は、時代を切り開く革新的な映画を世界に発信し続けてきた映画人の功績をたたえる賞。第1回は、北野武監督とティム・バートン監督が受賞したが、今年は『男はつらいよ』などで知られる山田洋次監督と、『ミッション:インポッシブル 2』や『レッドクリフ』のジョン・ウー監督が受賞した。
『幸福の黄色いハンカチ』で第1回から同映画祭に参加している山田監督は「28年の歳月を経て、SAMURAI賞という素晴らしい賞をいただけたことを大変光栄に思っています」と感謝。続けて、自身の作品は「SAMURAIのような勇ましいものではない」と言い、「この賞がふさわしいのはジョン・ウーさん」と隣を見ながら祝福した。
ジョン・ウー監督も「最も尊敬する映画の師匠である山田監督と共に受賞することができてとても名誉に思います」と喜び、「山田監督の映画は愛と人間性にあふれている」と称賛。「日本の映画にたくさんインスパイされ、いまもなおインスパイされ続けています」と明かした。
そして、山田洋次監督作品に多数出演する吉永と、ジョン・ウー監督を敬愛している大友監督が祝福に駆けつけ、それぞれ花束を贈呈。吉永は山田監督のことを「山田学校の校長先生であり、人生の師でもあります」と表現し、「撮影の合間に楽しい話を聞かせてくださるんですけど、その一つ一つがいつまでも心に残るんです。監督の価値観がとてもすてき。いつまでも山田学校の生徒でありたい」と思いを伝えた。
吉永の話を聞いた山田監督は「吉永小百合さんという人は、一緒にいると大事なことをちゃんと言わなきゃいけない、この人にはうそをつけない、真実を語らなければならない…そういう気持ちにさせてくれるから、ついついいいことを言っちゃうんです」と笑わせ、「僕にとっても大変励みになる」と語った。
また、大友監督は「ジョン・ウー監督の作品を夜通し5作品見た」と明かし、「ものすごいパワーに驚きました」と興奮気味にコメント。本人を目の前に「ちょっとでも監督に追いつけるよう、またジョン・ウーさんに見てもらえるような映画をつくりたいと思います」と誓った。