『ガンバの冒険』のエピソードを語る野沢雅子

今年で9回目を迎える「練馬アニメカーニバル2015」が17日・18日の2日間、練馬駅北口周辺の3つの会場で開催され、練馬文化センター小ホールで行われたTVアニメ『ガンバの冒険』の上映イベントには、当時ガンバ役を務めた声優の野沢雅子がゲストとして登場した。

放送40周年を迎える『ガンバの冒険』は、作家・斎藤惇夫氏の『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』をTVアニメ化した作品で、ネズミの主人公・ガンバをはじめとする7匹の仲間たちが、白イタチのノロイを倒すべく、壮大な冒険物語を繰り広げる。1975年7月7日から9月29日まで全26話が放送された本作は、日本のアニメ史上に巨大な足跡を残した故・出﨑統監督の最高傑作の一つ。イベントでは、傑作エピソードとして3本(第2話「ガンバ、船で大暴れ」、第24話「白い悪魔のささやき」、第26話「最後の戦い大うずまき」)が上映された。

第2話の上映後にステージに登壇した野沢は、「久しぶりに見ましたが、いいアニメ! 話も素晴らしい」と、ガンバたちとの再会に感動を隠せない様子。また、アニメのキャスト陣もガンバたちと同様に仲がよく、「毎回、収録が終わると中華料理店に集まるんです。仕事がある人も仕事が終わると、そこに戻って食事をしていました。夕方からは女子だけでショッピングしたりしました」と当時のエピソードを披露した。

また、殺戮のためだけにネズミを狩る白い悪魔・ノロイの話題になると、「本当に頭にくるほど憎たらしい」とガンバになりかわってコメント。「ノロイの声をやられた大塚周夫さんは、食事会に参加しませんでしたし、私たちも呼びませんでした。さすがにノロイと一緒に食事をするのはダメ」と裏話を明かすと、会場から笑いが起こった。

トークショー後半には、現在公開中の3DCGアニメ映画『GAMBA ガンバと仲間たち』のPV映像が上映された。本作で野沢はオオミズナギドリのリーダー・ツブリの声を担当。「いい役なんです。今回はガンバたちを助けたいと思います」と役どころを明かしつつ、「TVアニメ版とは異なりますが、仲間意識というテーマは変わっていないので、ぜひご覧ください」と作品をアピールした。

そのほか、トークでは野沢の声優業について言及。舞台女優の傍ら、収入を得るために始めた声優を、当時は嫌いだったと過去に告白しているが、「今では声優業が大好きです。私はこれをやるために生まれてきたのではないかと思います」と、あらためて声優への思いを語った。

最後のあいさつでは、「今の時代、仲間意識というものが薄れているような気がします。DVDも出ていますので、『ガンバの冒険』をみんなで見て、仲間を作って、大きな輪を作ってください!」とファンに呼びかけ、イベントは終了した。