よみうりランド(東京都稲城市・神奈川県川崎市)は2016年3月、同社が運営する遊園地「よみうりランド」にて新エリア「グッジョバ!! 」をオープンする。
総工費約100億円の巨大エリア
今回オープンする新エリア「グッジョバ!! 」は、従来の遊園地エリアを大幅に拡張するものとなる。既存遊園地面積37万7,171平方メートルに対して新エリアの計画面積は2万4,137平方メートルとなっており、総工費として同社は約100億円を投じる。
「グッジョバ!! 」のコンセプトは「モノづくり」。自動車・食品・ファッション・文具の4つの業種をテーマとした遊戯施設をそれぞれ設け、屋内型機種を中心にそれぞれの業種の"モノづくり"を体験できる新アトラクションを15機種オープン。既存の28機種と合わせ、同園のアトラクションは「グッジョバ!! 」オープン後、計43機種となる。
「グッジョバ!! 」には、サポート企業として日産自動車が参加するほか、パートナー企業として日清食品・ワールド・島精機製作所・コクヨの4社も参画。日産自動車は自動車をテーマにした施設「CAR factory」、日清食品は食品がテーマの「FOOD factory」、ワールドと島精機製作所はファッションをテーマとした「FASHION factory」、コクヨは文具がテーマの「BUNGU factory」をそれぞれ監修する。
このほど都内で行われた記者発表会では、よみうりランド代表取締役社長の上村武志氏が登壇。同氏は「グッジョバ!! 」のオープンについて、「雨の日でも快適に楽しんでいただける屋内施設の開業は、当社にとって長年の悲願。遊びやエンターテインメントを通して、日本経済の基盤である"モノづくり"を楽しみながら体験し、小さな子供にも"モノをつくる"ことへの関心を持ってもらいたい」と同エリアに込めた思いを語った。
また、「モノづくり」の業種として自動車・食品・ファッション・文具の4つを選んだ理由については、「日本を支える基幹産業であると同時に、子供にもわかりやすい、生活に密着した業種であるため」と説明した。「グッジョバ!! 」のオープンに伴い、同園では年間入園者30万人増を見込んでいるとのこと。
自分で作り、乗って動かす「CAR factory」
各施設の主要アトラクションを紹介しよう。日産自動車が監修する「CAR factory」では、屋内外に2種ずつ、計4種のアトラクションがオープン予定で、今回は「カスタムガレージ」と「マイレーシング」の屋内型2機種が紹介された。
「カスタムガレージ」はライド型のアトラクションで、自身が乗り込む車にゲストがパーツを取り付ける工程から始まる。取り付け部品はボンネット・ヘッドライト(左/右)・フロントバンパー・リアトランク・テールランプ(左/右)の計7個で、各パーツに4種類・8色のバリエーションを用意。車体も全5色をそろえており、最大約50万通りのカスタマイズを楽しめる。
車を完成させて乗り込むと、取り付け部品・アクセル・ブレーキ・ヘッドライト・左右ウィンカー点灯・シートベルト着用の6点を検査するゾーンに移行し、"車両検査"を受ける。検査後は約200mのコースを最高時速18kmで試走し、完成した車両を船積みするまでを体験できる。定員は4人で、所要時間は約6分。
「マイレーシング」は、画面上で車体をデザインして楽しむアトラクション。端末上でパーツやカラーリングなどを自由にデザインして自分だけの車を作り、最大8台が参加するカーレーシングゲームをプレイできる。定員は2人で、所要時間は約9分となる。自分でデザインした車を運転できるのは、遊園地のアトラクションとしては日本初となる。
「FOOD factory」で「U.F.O.」ライド
日清食品が監修する「FOOD factory」では、同社のインスタント焼きそば「日進焼そばU.F.O.」をテーマにしたボートライト型のアトラクション「スプラッシュU.F.O.」が登場する。水面上を進みながら、練り上げた麺の生地を伸ばす圧延や、油で麺を揚げる「瞬間油熱」、「ターボ湯切り」といった製造~調理の工程を体験できる。
同アトラクションには、「U.F.O.」のCMに登場したキャラクター「U.F.O.仮面ヤキソバン」も登場。「FOOD factory」に悪者「ケトラー」が侵入し、アトラクションに搭乗したゲストは「ヤキソバン」不在の工場で同商品の製造を邪魔する「ケトラー」を退治する、というストーリーとなっている。
急流下りの要素に加え、ボートライド型アトラクションとしては日本で初めて映像を使ったボタンシューティングゲームを実装。最終地点ではゲームの特典がランキング形式で表示される。定員は4人で、所要時間は約4分。全長約300mのコースで、最高速度は時速25.2km、最高到達点は13.0mとなる。
なお、「FOOD factory」には同アトラクションを含めて計2種の屋内型アトラクションが登場予定。
実際に製品を作れる「FASHION factory」
「FASHION factory」では、「スピンランウェイ」「マイニット」の2種の屋内型アトラクションが登場する。
「スピンランウェイ」は、ワールドが監修したコースタータイプのアトラクション。生地の裁断や縫製といった洋服の製造工程を体験できるだけでなく、特典獲得型のゲームで洋服のコーディネートも楽しめる。滑降時にはファッションショーをイメージした音と光の演出を加え、暗闇を疾走。座席部分は自由に回転するため、乗るたびに違う動きを楽しめるという。
また、同アトラクションでは、コースター上昇部に日本初となるらせん状の「スパイラルリフト」を採用。定員は4人で、所要時間は約4分。全長448mのコースを最高時速45.5kmで滑降する。最高到達点は13.7m。
島精機製作所が監修する「マイニット」は、同社製作の自動横編み機「ホールガーメント」でオリジナルの編み物を作ることができるアトラクション。自転車をこいだりボートをこいだりといった体の動きによって「ホールガーメント」に動力を伝え、コースターなどの編み物を製作できる。定員は2人で、所要時間は約5分。
頭と体を使う「BUNGU factory」
コクヨ監修の「BUNGU factory」には、同社の商品「キャンパスノート」をテーマにしたパステルカラーの空間デザインが施されている。屋内に2種、屋外に4種のアトラクションが登場予定で、今回公開されたのは屋内型の「キャンパスチャレンジ」と「ひらめキッズ」。
「キャンパスチャレンジ」では、「キャンパスノート」の製造工程をモチーフにした7つのトレーニング型ゲームを用意。各ゲームをクリアすることで同商品の製造ラインを動かし、ノートを完成させるアトラクションとなる。
ロール紙の倉庫をイメージしたボタン探しゲームや、ロール紙の裁断をイメージしたモーションキャプチャーゲーム、表紙セットをイメージしたタイミングゲーム、のり付けをイメージしたバランスゲームなどを備え、全ゲーム終了後には「キャンパスノート」の完成度判定と、集中力や洞察力といった参加者の特性の得点が表示される。定員は3人で、所要時間は約7分。
「ひらめキッズ」は、「コクヨのえほん」をテーマにした子供向けの遊び場。顔の輪郭のイラストに付属のシールやペンの描き込みで顔をつくる『かおノート』をはじめ、5つの絵本をテーマにしたスペースで「ひらめき」をテーマにしたさまざまな体験が可能。巨大な「かおノート」のパネルのほか、真っ白な動物の立体像に色を塗る「立体ぬりえワークブック」や、鉛筆をすべらせて像を浮かび上がらせる「凸凹ぬりえ」を備えている。定員は45人の時間入れ替え制で、利用時間は15分。
なお、「グッジョバ!! 」にはイベント会場の「オーロラスペース」と、飲食・物販施設も備える。同エリアに関わる新情報は、今後も随時発表していくとのこと。