無人小型飛行機・ドローンの危険性を検証する番組が、12日23時からドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」で放送される。
農業、商業、スポーツ、災害救助など幅広い分野での活躍が期待される一方、その危険性やプライバシー侵害の可能性があることも指摘されているドローン。今年4月には首相官邸に落下させた男性が威力業務妨害などの疑いで逮捕され、東京・浅草の三社祭で飛ばすと予告した15歳の少年も同様の罪で逮捕された。事件や事故が相次いだことで法規制が整備され、人口密集地や夜間の飛行などを禁止する改正航空法が今月4日に成立した。年内にも施行される。
ドローン先進国と言われるアメリカでは、日本に比べて厳しく細かい規制が設けられているが、フリーの特殊効果マンのアダム・サベージと、物理学をはじめとした諸分野に幅広く精通したジェイミー・ハイネマンが気になっているのは「命の危険性」。2人は"伝説バスターズ"コンビとして、シリーズ番組『怪しい伝説』を通じて数々の無謀な実験を行ってきた。
実験に備えて、大型を1機、中型を2機用意。カーボンファイバー製の大型機は8つのプロペラとモーターを搭載し、合計出力2800ワット、総重量7キロの撮影用高性能ドローン。市販の中型機は完成した状態で売られているものと、部品を組み立てるもので、3機それぞれ回転中のプロペラを人形の首元に当て、その損傷具合で危険度を判定する。
人間の身代わりとなる人形は「流血用頸動脈付きドローン殺傷危険性検証ダミー」と命名。弾道ゼラチンとグラスファイバーで人体の肉や筋肉を高度に再現した。血管まで精巧に作り込んだが、「リアルな血に見えるとテレビ的にマズイ」という理由で血液は青色に。実験の結果、中型機はプロペラの先端が曲がってしまい、場合によっては危険を伴うものの「市販の小さなドローンは人間に当たってもケガをさせにくいように作られてる」と結論。しかし、大型機の実験は身の毛もよだつ展開に……。
2人はそのほか、アメリカ空軍が誇る1人乗り高高度偵察機"ドラゴンレディ"ことU2(ユーツー)が「航空機の中で最も操縦が難しい」という噂を検証。空軍に出向いて訓練を受け、上空7万フィートの世界へと旅立つ。
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