財務省は8日、2015年7月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は1兆8,086億円の黒字となった。黒字は13カ月連続。黒字幅は前年同月と比べて1兆4,050億円拡大した。

旅行収支、1996年以降7月では過去最大

貿易・サービス収支は2,917億円の赤字で、2カ月連続の赤字。赤字幅は前年同月より1兆203億円縮小した。貿易収支およびサービス収支が赤字幅を縮小したため、赤字幅は縮小した。

貿易収支は1,080億円の赤字で、2カ月ぶりの赤字。赤字幅は前年同月比で7,501億円縮小した。原油の輸入額が減少したことなどで、赤字幅は縮小した。

輸出額は前年同月比2,868億円(4.6%)増の6兆5,448億円と、2カ月連続の増加。輸入額は同4,634億円(6.5%)減の6兆6,529億円と、7カ月連続の減少となった。

2015年7月経常収支(出典:財務省Webサイト)

また、同省関税局がまとめた2015年7月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は同4,717億円(7.6%)増の6兆6,637億円。商品別では、自動車が同956億円(9.6%)増、船舶が同364億円(33.7%)増など。主要地域別では、対米国が同2,125億円(18.8%)増、対EUが同647億円(10.0%)増などとなった。

輸入額は同2,264億円(3.2%)減の6兆9,321億円。商品別では、原粗油が同2,877億円(24.6%)減、液化天然ガスが同2,720億円(40.7%)減など。主要地域別では、対中東が同4,382億円(31.9%)減などとなった。

サービス収支は1,836億円の赤字で、2カ月連続の赤字。赤字幅は前年同月比で2,702億円縮小した。訪日外国人旅行者数が単月として過去最高を更新し、旅行収支が1996年以降で7月として過去最大、単月としても過去2番目となるなど黒字幅を拡大。また、「知的財産権等使用料」が1996年以降で7月として過去最大となり、黒字転化したことなどから、赤字幅は縮小した。

第1次所得収支は2兆2,312億円の黒字。黒字幅は前年同月より3,658億円(19.6%)拡大した。「直接投資収益」および「証券投資収益」が増加したことなどから、黒字幅を拡大し、1985年以降、7月として過去最大、単月としても過去3番目となった。

第2次所得収支は1,309億円の赤字。赤字幅は前年同月より188億円縮小した。