明治安田生活福祉研究所はこのほど、「女性の相続と財産」に関する調査結果を発表した。調査は3月21日~24日、全国の40代~60代の男女4,800名(男女各年代及び相続経験の有無ごとに200名ずつ抽出)を対象に、インターネットにて行われた。

介護は女性が中心

「父を主に介護していた人」

父親を主に介護していた人について調べた結果、男女ともに「母」が最多回答となり、その割合は5割強~6割弱と、半数を超えた。そこで、「母」以外の介護者としてはどういう人がいるのか調べたところ、回答者が長男の場合は「その妻(父から見て嫁にあたる)」が介護に携わっているケースが多かったが、「姉や妹のいる長男」では、姉や妹が介護をしているケースも目立った。一方、回答者が長女の場合は、「あなた(回答者自身)」が介護に携わるケースが多く、一人っ子の女性の場合では3割を超える結果となった。

「母を主に介護していた人」

続いて、母親の介護についても同様に調べた結果、「あなた(回答者自身)」や「あなたの兄弟姉妹」など、子どもによる介護が多く、父親の介護に比べて多様なパターンが見られた。また、回答者が長男の場合は、「あなた(回答者自身)」や「妻」が主な介護者である場合が多く、特に「一人っ子」の場合では「あなた(回答者自身)」が主な介護者であり、その割合は42.0%にのぼった。一方、回答者が長女の場合では、「あなた(回答者自身)」が主に母の介護に携わっている割合が高く、「兄や弟のいる長女」で42.2%、「妹のみいる長女」は50.0%、「一人っ子」の場合では70.1%にのぼり、介護の多くが「女性に依存している」実態が浮き彫りとなった。

親の遺産相続は長女よりも「男兄弟」の方が多い!?

「一次相続で遺産を最も多く受け取った人」

次に、父母が死亡した際の遺産相続について調査を実施。今回は父親が先に亡くなったケースの結果を見てみると、一次相続(父母のどちらかが先に死亡した際の相続)で最も多く遺産を相続できたのは、主に介護をした「母」。法廷相続分が高いことや、残された「母」の今後の生活費となることからも当然の結果と言えるよう。また、男性の場合は他の兄弟姉妹よりも「長男」がより多くの遺産を相続できているが、女性の場合は兄や弟がいた場合には「長女」よりも兄や弟がより多く相続していることがわかった。

「一次相続で遺産を最も多く受け取った人」

続いて、遺った母親が死亡した際の二次相続についても調べた結果、基本的に長男や長女である「あなた(回答者自身)」がより多く遺産を受け取れてはいるものの、「兄や弟のいる長女」の場合では、兄や弟の方が多く受け取っていることが明らかに。女性は男兄弟よりも相続で不利であることがうかがえる結果となった。