働くママの強い味方になってくれるはずの家族をはじめとした周囲の人々。しかし現実はそう甘くなく、夫や両親からの理解がなかなか得られず、育児と仕事との両立に悩むママも少なくありません。前編に続く今回は、働くママは周囲の人々からどのようなことを言われているのか実際の例を挙げて紹介していきます。
働くママが周囲から言われた言葉とは……
・時には夜中までの仕事が続き、「小さい子どもがいながら、どうしてそこまでして働くのか」と親から反対される
・3歳児神話を引き合いに出され、「子どもは3歳までが肝心。今は仕事を辞めたほうがいいんじゃないか」と説得される
・夫が高収入で「俺は十分に稼いでいるのだから、別に働いてもらわなくてもいい」と突き放される
いかがでしょうか。これを読みながらも、「私もいわれたことある! 」と思った方もいるかと思います。それぞれの対処方法は家庭によりケースバイケースですが、まず、問題の根本をどう解決するのかという視点が必要となります。
そもそも、問題はお互いのニーズが満たされないために起こります。1番目のケースは、夜中まで働くことによって親への家事や育児の負担がかかり、肉体的に厳しい状況に陥っていることが想定されます。その場合は、負荷を減らす方法を考えることになります。夜中まで働かなくてもよい部署に変わるのか、辞めて働き方を変えるのか、一部ベビーシッターサービスなどを使ってお金で解決するのか。親にお金を渡して、納得してもらえる実例もあります。
2つ目のケースで3歳児神話が問題なのであれば、子どもとの関わりの質を高めて量的な不足をカバーしていることをきちんと示してみる。親子の愛情を通わせるための「譲れない線」を1つ決めて実行し、明確に自分たちなりの家庭スタイルを示す、という方法もあります。
ここでは、「問題」と言われること、その発言の真意は実はどこにあるのかをじっくりと話を聞きながら見極めていく必要もあります。実は言葉で伝わることと、本当に相手が思っていることが違うというのはよくあること。さまざまな角度から、本音を探ってみてください。
面と向かって言っている不満内容と、周囲に漏らしている不満の内容が違うということも意外と多いです。相手の真意がわかって初めて解決法を考えることができるので、問題の全体像をさまざまな角度からとらえることが大切です。
そして、最後のケース、夫が高収入の場合ですが、これも相手の本音によって説得方法が変わります。生の声としては、「『社会に参加することによって、さまざまな角度から夫と対等に話題を提供できる』とアピールした」「『夫の身に病気などの予期せぬ事態が起こったときの保険として自分が家計の一翼を担うことで、家計全体としてはプラスに持っていける』と数字を示して説得した」といった内容が挙がっています。
いずれにしても、お互いがどのようにしたら心地よく子育てしながら働けて、家庭を成立させることができるのか、といった2つの要素を同時に満たすことが重要となります。このポイントを周囲の人々と模索していくこと自体も、寛容な懐が必要になりそうですね。
※画像は本文と関係ありません。
著者プロフィール
株式会社グローバルステージ代表取締役 大洲早生李
慶應義塾大学商学部商学科卒業後、株式会社日立製作所に入社。2003年より宣伝部愛知万博プロジェクトにて日立パビリオンの総合プロデュースおよび広報を手掛ける。
4年半の単身赴任生活を送った後、2008年に双子を妊娠。両立不可能となり退職。その体験から働くママ支援プロジェクト「キラきゃりママ」を立ち上げる。直後に第三子を出産。「母と子のリアルを、みんなで支える」をビジョンに、働くママの支援活動を開始する。
2011年4月に法人化、株式会社グローバルステージ代表取締役に就任し、ママと子どもを基軸としたマーケティング / PRコンサルティングを国内外で展開。2013年9月に一般社団法人日本ワーキングママ協会を立ち上げ、母たちが戦略的にキャリアを築き、能力を発揮できる社会の実現を目指す。6歳の男女双子、4歳男児の母。
株式会社グローバルステージ
東京ワーキングママ大学