2000年の『仮面ライダークウガ』を第1作とする、テレビ朝日、東映、ADK制作の「平成仮面ライダーシリーズ」の第17作『仮面ライダーゴースト』の記者発表会見が18日、都内で行われた。

写真左から磯村勇斗、柳喬之、山本涼介、西銘駿、大沢ひかる、竹中直人

平成ライダーでは、これまでにもフルーツや自動車、魔法、宇宙飛行士などユニークな題材を取り入れたヒーロー像が目指されてきたが、今回の「ゴースト」は、その名のとおり「お化け」がモチーフ。「眼魔(がんま)」と呼ばれる怪人に立ち向かった少年・天空寺タケルが命を落とし、仙人の不思議な力によって「仮面ライダーゴースト」となり、この世によみがえるという設定となる。

タケルは、亡き父から送られてきた「眼魂(アイコン)」と、仙人から授かった「ゴーストドライバー(変身ベルト)」で仮面ライダーゴーストに変身し、すでにこの世に存在しない英雄や偉人の魂が込められたさまざまな眼魂の力により、英雄・偉人の特徴を活かしたスタイルにチェンジして眼魔たちと戦う。しかし、タケルがこの世に留まることのできるのは99日しかなく、本当に生き返るためには期日までに15個の眼魂を集めなければならない。不思議でファンタジーあふれるヒーローが人々を笑顔にし、感動を呼ぶ。史上最高にドラマティックな仮面ライダーが描かれるという。会見では、「仮面ライダーゴースト」の基本スタイル「オレ魂」と、宮本武蔵の力を得た二刀流の「ムサシ魂」が登場。さらに、専用バイク「マシンゴーストライカー」もお披露目された。

歴代『仮面ライダー』シリーズの中で、悪の軍団によって瀕死の重傷を負い、改造手術を受けて仮面ライダーとして甦ったケースは多く、『仮面ライダーV3』の風見志郎や、『仮面ライダーX』の神敬介、『仮面ライダー(新)』の筑波洋、『仮面ライダーJ』の瀬川耕司などが存在したが、本当に死んでしまって"ゴースト"になるライダーは前代未聞。主人公が劇中で命を落としてしまうケースも『仮面ライダークウガ』の五代雄介、『仮面ライダー龍騎』の城戸真司、『仮面ライダードライブ』の泊進ノ介など多数あり、『仮面ライダー剣(ブレイド)』の剣崎一真や『仮面ライダー鎧武』の葛葉紘汰のように、最終的に人間を超越した存在に変化してしまう特殊なライダーたちもいたものの、のっけから完全に死んで、なおかつ「お化け」になって戦う仮面ライダーというのは、どこからどう見ても斬新そのものである。

第1話の脚本を手がけるのは『富豪刑事』『その男、副署長』『TRICK2』『警部補 矢部謙三』など多くのTVドラマ、映画作品で知られる福田卓郎氏。かつて福田氏は『ウルトラマンマックス』など、特撮ヒーロー作品の脚本を担当したことがあるが、「仮面ライダー」シリーズ、ならびに東映の変身ヒーローは初となる。福田氏の参加により、「平成ライダー」にさらなる新風が吹きこまれることは間違いないだろう。

そして、『逆境ナイン』『アオイホノオ』など数多くのヒット作を持つ人気漫画家・島本和彦氏がシリーズで初めて「怪人デザイン」を手がける(島本和彦とビッグバンプロジェクト)というのも、ファンの間で話題となっている。島本氏はかつて『仮面ライダーBlack』『仮面ライダーZO』の読み切り作品を執筆した実績があり、さらには石ノ森章太郎作品、仮面ライダーに始まる変身ヒーロー作品に強い影響を受けた熱血アクション漫画を多数手がけている。まさに自他ともに認める「筋金入りの石ノ森章太郎ファン、仮面ライダーファン」の島本氏が、どのような怪人たちを創造するのか、否応なしに猛烈な期待を抱かずにはいられない。

この日会見には、仮面ライダーゴースト/天空寺タケルを演じる西銘駿(にしめ・しゅん)を筆頭に、大沢ひかる、磯村勇斗、柳喬之、山本涼介、竹中直人ら、主要キャストが登壇。西銘は、「仮面ライダー」に付き物のアクションについて「スポーツをやっていたので自信があったのですが、いざ挑戦してみると受け身や転がりさえ難しかった。少しずつ慣れて上達していく姿に注目してほしい」と意欲を見せた。タケルの幼なじみで本作のヒロイン・月村アカリを演じる大沢ひかるは「すごく人見知りで打ち解けるのに時間かかるかな、と思ったんですが、御成役の柳さんがムードメーカー的存在で、ひっぱってくれて助かっています」と、早くもキャスト陣のチームワークが築かれているようすをうかがわせた。大天空寺の住職代理を務める柳喬之は役が決まってすぐ頭を剃ったのだが「思った以上にオデコが広いな……と思いました」ともらし、静かな笑いを誘っていた。

眼魔を呼び出す謎の男(演:森下能幸)と行動を共にする青年・アランを演じる磯村勇斗は「謎が多い役ですので、(この場で)お話しすることが難しいのですが、今後のアランの展開にご注目していただき、楽しんでいただければ」と渋めにあいさつ。放送から一カ月後という、近年の仮面ライダーシリーズにしては異例の速さで登場する「2号ライダー」の仮面ライダースペクター/深海マコトを演じる山本亮介は「アクションには自信があります。最近ではキックボクシングをやっているので、自分の長所でもある長い手足を使ってダイナミックなアクションを見せたい」と意欲を打ちだした。

タケルを助ける仙人役を演じるベテラン俳優・竹中直人は「若い子に支えられて楽しくやっとるよ~。自分も彼らのように若いときがあったんですけど、いつのまにか来年60歳ですよ~。若い俳優さんたちと一緒にいられるのは、ほんとにうれしいひとときじゃよ~」と、変幻自在に声色を変えて会場を笑わせながら、若手俳優をあたたかく見守るポジションに強い意欲を見せた。そして、本作の主題歌を担当する「気志團」が登場。ヴォーカリストを務める綾小路翔は「メンバー一同、仮面ライダーで育った人間ですので、この上ない名誉」と喜びを表し、現在作成中という楽曲の出来栄えについては「自信しかございません。みなさん、期待しかしないでください!」とアピールしていた。

『仮面ライダーゴースト』は、2015年10月4日朝8時よりテレビ朝日系で放送開始。

(C)2015 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映