――そこまでストイックにやると疲れませんか?

料理してて、無意識でネギ切ってるのと一緒ですよ。

――すごくスケールが小さくなった気がしますが……。

でも、そこには料理の次の工程や完成までの見通しがあって、それに向けて"ネギを切る"という一見地味な作業をするわけです。演じている時も、「この作品では自分の立ち位置はこうで、役まわりはこうなって、その中でも原作ではこうなっていて、アニメではこういう声をしていて」という情報から演じる役の見通しを立てて、完成に向けて日々撮影していくのは似ている気がします。

――なるほど。ではネギを切るのと一番の大きな違いは"体力面"でしょうか?

きつかったですね。体力と、あとはプレッシャーですね。でも、ハンジの探究心というか向上心、さらにいえば"欲"のようなもののおかげで、演じていても救われました。泣きのシーンが多い役だと、(自分の感情の)内に入ってくるからすごくつらいんです。でもハンジはうれし泣きしかしてないですからね(笑)。

――本編、ドラマと撮影を終えられた感想に変化はありましたか?

本編の撮影を終えて、役を客観的に見ていたのが、ドラマでは主観で見るようになりました。本編では「ハンジってどういう人間だろう」、「どうすればハンジっぽく見えるだろう」ということをすごくすごく悩みながら、考えながら挑んだ撮影でした。それがドラマでは、ハンジのキャラクターが自分の中でわかった上で撮影に入ることができたので、存分に楽しみましたね。私のハンジに対する愛がつまった作品です!

――最後に。見ていてすごく気になったのですが、あの「立体機動装置」の装備は重いんですか?

重いです! すごく重いから、それで体力を一番奪われますね。トイレに行く度に装置をつけたりはずしたりする必要があって、本編ではみんな自分でできるようになった瞬間に撮影が終わっちゃう感じでした。私はdTV版があったので、装置の扱いに慣れたのがすごく役に立ったんですよ(笑)。

■プロフィール
石原さとみ(いしはらさとみ)
1986年12月24日生まれ。東京都出身。2002年に第27回ホリプロスカウトキャラバンでグランプリを受賞。翌年、東陽一監督作の映画『わたしのグランパ』でデビューし、同年のNHK連続テレビ小説『てるてる家族』のヒロインに抜てき。以後は数々の映画、ドラマ、舞台などで活躍している。映画の主な出演作に『北の零年』(05年)、『包帯クラブ』(07年)、『人間失格』(10年)、『幕末高校生』(14年)、『風に立つライオン』(15年)。