富士サファリパーク(静岡県裾野市)は7月11日、体重3t以上の巨体を持つアジアゾウが水中を遊泳する姿を、透明なアクリルガラス越しに観覧できる「水中のゾウ」を公開した。

日本国内では例を見ない「水中のゾウ」を公開

ゾウたちの泳ぎも徐々にスムーズに

同園は開園以来、希少動物の保護・繁殖に取り組みつつ、「森の中の池で涼をとるアムールトラ」や、狩りをする際に見られる「疾走するチーター」、アフリカのマニヤラ湖畔でしか見られない「木に登るライオン」、「岩山を駆け登る草食動物」など様々な野生動物の生息地環境における生態、優れた能力を紹介してきた。今回の「水中のゾウ」は、同園ならではの生態紹介の一環としての取り組みで、日本国内では例を見ない新しい展示方法となる。

ゾウたちも、少しずつ新しい環境に慣れてきた

ダイナミックな泳ぎを見せるアジアゾウ

野生のアジアゾウは森の中に棲み、大量の餌を必要とするため長い距離を移動する。対岸の餌を食べるために、やむを得ず大きな川を渡ることがあるが、ゾウが泳ぐ生態については、「ボルネオゾウの川渡り」や「島から島を泳いで渡るインドゾウ」が以前から知られている。

アジアゾウが餌を求め、大きな川を泳いで渡る生態を紹介するため、水中の様子を側面から見学できる新たな施設を構築。新施設は6月中旬に完成し、アジアゾウ5頭も少しずつ新しい環境に慣れてきた。また、最初はぎこちなかった泳ぎもスムーズになってきたことから、一般公開する運びとなったという。

同園では今回の「水中のゾウ」の公開により、生息地環境におけるアジアゾウの生態、動物が持つ優れた能力を多くの人に知ってもらいたい、としている。