公的年金の積立金を市場運用する年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)はこのほど、2014年度の運用状況を発表した。それによると、運用結果は15兆2,922億円の黒字となり、運用益は自主運用を開始した2001年度以降で最大となった。

国内株式は6兆9,105億円の黒字

収益率は12.27%で過去最高を更新。運用益の内訳は、国内債券が1兆5,957億円、国内株式が6兆9,105億円、外国債券が1兆8,884億円、外国株式が4兆7,863億円の黒字となった。

収益額(出典:GPIF Webサイト)

2014年度末時点の運用資産額は過去最高の137兆4,769億円。2001年度からの累積収益額は50兆7,338億円となった。

資産構成割合を見ると、国内債券は39.39%と過去最低を更新。このほか、国内株式は22.00%、外国債券は12.63%、外国株式は20.89%、短期資産は5.08%となった。

各資産の運用環境を見た場合、国内株式については、6月にかけて国内企業決算や海外株式市場の好調を背景に上昇した後、消費増税後の景気下振れなどから停滞。10月には国内景気の回復の遅れから下落したものの、10月末の追加金融緩和や円安進行、原油安などにより企業業績の改善期待が台頭したことから、上昇基調となった。