じゃらんが実施している「宿泊旅行調査2014」(2014年7月25日発表)によると、ひとり旅経験者は15.4%と、調査開始以来9年連続で増加している。ひとり旅のニーズは女性よりも男性が高く、特に20~34歳男性は調査開始時点から11.2ポイント上昇し、26.1%にもなっているという。そんなニーズに応えるべく、ホテル・旅館ではひとり旅にオススメのプランも充実させている。今回、その中でも東日本に位置するホテル・旅館に注目してみた。

トマムの大自然を満喫

まずは北海道から。北海道のほぼ中央に位置するトマムは、札幌や十勝、富良野といった北海道屈指の観光地へのアクセスも良好。そんなトマムのランドマーク的な存在である「星野リゾート トマム ザ・タワー」(北海道勇払郡)には、自然の中でアクティブな休日を楽しむのにぴったりな環境が整っている。また、ザ・タワーに直結した林に囲まれたレストラン街「フォーレスタ・モール」で、北海道グルメを楽しむのもいい。

カラフルなタワーが目を引く「星野リゾート トマム ザ・タワー」

中でも「ザ・タワー ひとり旅プラン」(大人ひとり1泊朝食付き/1万2,800円~)には、トマムから車で約40分のところにある北海道ガーデン「十勝千年の森」の入場引換券や、リゾート敷地内にある「雲海テラス」行きゴンドラ乗車券、日本最大級のインドアウエィブプール「ミナミナビーチ」や露天風呂も備えた「木林の湯」の利用券がセットになっている。雄大な北海道を満喫するのにぴったりなプランだ。

ゴンドラで13分の空中散歩で行きつく「雲海テラス」からは、雲海と日高・十勝の山々が連なる壮大なパノラマビューが拝める

北海道グルメを好きなだけ

札幌市街地の中心部に広がる「大通公園」やネオン瞬く一大歓楽街「すすきの」、開拓時代の香りを今に伝える赤レンガの「北海道庁旧本庁舎」も徒歩圏内にある「札幌プリンスホテル」(北海道札幌市)は、札幌観光の拠点にもってこいの場所。レンタサイクル(有料)や季節限定のレンタルスキー&スノーボード(有料)にも対応し、宿泊者専用の温泉露天風呂(有料)も設けている。

特に観光利用でオススメなのが、札幌市民の足として親しまれている市電(路面電車)の1日乗車券が付いた「ふるさと巡りの旅ご宿泊プラン」。市電沿線には北海道の3大夜景とも称されている藻岩山もあるので、札幌の街並みを一望しに訪れてみるといいだろう。客室だけなら大人ひとり1泊6,130円からとなるが、北海道ならではの食材を取り入れた朝食和洋ビュッフェ付きプラン(大人ひとり1泊朝食付き/7,967円~)をオススメしたい。

「札幌プリンスホテル」の朝食和洋ブッフェには、チーズフォンデュや自分で作るコーンバター味噌ラーメン、毎朝ホテルで焼き上げるパンなど和洋約60品を用意。食後はテイクアウトコーヒーとともに部屋でまったり

渓流のせせらぎに癒やされる

天然記念物に指定されている奥入瀬渓流の清らかな流れと深い森に癒やしを求めるなら、ここ「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」(青森県十和田市)へ。大自然の中にあるホテルは、客室からはもちろん、大浴場からも開放感あふれる景色が楽しめる。特に展望岩風呂からは、間近に流れる名瀑「九重の瀧」の絶景も拝める。

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」のラウンジ「森の神話」

プランはひとり1泊朝食付きで1万6,500円から用意しているが、このホテルに訪れたらぜひ堪能してもらいたいのが夕食ビュッフェだ。シェフが目の前で季節野菜を盛り付ける「森のサラダ」をはじめ、山菜や米など豊かな恵みをアレンジした新感覚スイーツ「森のアシェットデセール」が人気となっている(大人ひとり1泊朝食・夕食付き/1万9,500円~)。

夕食ビュッフェには、4月から「森のビーフシチュー」も仲間入り

愛車と共に旅に出る

国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている「蔵の町並み」や約400年前から時を伝えている「時の鐘」、そして、22軒の菓子屋・駄菓子屋がひしめく「菓子屋横丁」。そんな蔵の街・小江戸川越を観光するなら、「川越プリンスホテル」(埼玉県川越市)を拠点にしてみるのもいいだろう。

「川越プリンスホテル」のダブルルーム

また、埼玉には通称で荒川自転車道や入間川自転車道、比企自転車道などと呼ばれている道が広がっていることもあり、自転車とともに旅をするという楽しみ方もある。そんなニーズに応えるべく、ホテルでは「サイクリストご宿泊プラン」(大人ひとり1泊朝食付き/8,550円~)も設定している。

このプランでは持ち込みの自転車をホテル内で預かってくれるので、雨が降った日も安心だ。ホテルから国道16号を通って上江橋から入間大橋の荒川と入間川の中州を走る荒川自転車道は、水と緑があふれる気持ちのいいコースとなっている。

荒川自転車道ツーリングでは、菜の花や森林公園の紅葉など季節の移ろいを楽しんで

アートの街・箱根でアートな旅を

箱根は温泉で知られている場所だが、フランス印象派など約1万点をコレクションした「ポーラ美術館」や、様々なヴェネチアングラスで魅了する「箱根ガラスの森美術館」など、アートをテーマにした観光スポットも多い。そんな箱根にある「箱根仙石原プリンスホテル(旧: ホテル大箱根)」(神奈川県足柄下郡)は、箱根の四季の景色をデザインコンセプトとして4月23日にリニューアルオープンした。

アートな箱根を満喫するなら、「仙石原アート日和」(大人ひとり1泊朝食・夕食付き/2万5,600円~)がオススメ。6月現在は、宝飾とガラスの工芸家ルネ・ラリックの作品を収蔵した「箱根ラリック美術館」入館券と同美術館内のオリエント急行でのティータイム、そして、ホテルでのアートフレンチディナーがセットになっている。

2001年まで現役で活躍していたオリエント急行で、専属クルーによると解説とティータイムを

ラリック美術館の作品をモチーフにした「箱根仙石原プリンスホテル」のアートフレンチコース

松本の奥座敷で極上の湯めぐりを

星野リゾートの中でも「界」は、"和"をテーマにその土地ならではのおもてなしをコンセプトにしている。そのひとつで松本の奥座敷・浅間温泉に位置する「星野リゾート 界 松本」(長野県松本市)は、現代建築家が先鋭的な感性と日本の伝統美を調和させた温泉旅館で、館内自体にアートが現在するほか、夜にはジャズやクラシックの生演奏を行っている。

「星野リゾート 界 松本」では毎夜、ジャズやクラシックの生演奏を披露

「ひとり旅でできるだけお得に泊まりたい」というニーズに応えて設定された平日限定の「ひとり旅プラン」(大人ひとり1泊朝食・夕食付き/3万3,500円~)は、食事も個室食事処で人目も気にならない。夕食には和牛のそれぞれの部位を部位ごとに調味料を変えて楽しめる「三味焼き」などを用意している。合わせて信州ワインを楽しむのもいいだろう。もちろん、温泉郷ならではの8種13通りの多彩な湯もたっぷり味わいたい。

松本城主の御殿湯も設けられていたという歴史のある浅間温泉を堪能(写真は貴天大風呂)

軽井沢で買い物を満喫

軽井沢駅前に広がる「プリンスグランドリゾート軽井沢」は5つのホテルのほか、ショッピングモールやゴルフ、スキー、レストラン、温泉などの施設を設け、ひとり旅から3世代旅まで幅広いニーズに応えるリゾートエリアとなっている。

「プリンスグランドリゾート軽井沢」内には約240店が並ぶ「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」もある

エリア内のホテルのひとつである「軽井沢プリンスホテル イースト」(長野県北佐久郡)では、アウトレットショップなど約240店が並ぶ「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」で使える商品引換券2,000円分が付いた、「ショッピングプラザ満喫! 」(大人ひとり1泊朝食付き/1万9,844~円)プランを設定している。買い物を思う存分楽しんだ後は、天然温泉の内湯、露天風呂、スチームサウナを備えた「フォレストホットスプリング」を利用しよう。ホテルイースト宿泊者は無料で利用できる(入湯税として150円が必要)。

客室の窓から木漏れ日が射す

※記事中の情報は2015年6月取材時のもの。価格は消費税・サービス料込み。プランや価格は期間限定やWEB限定のものもあるため、詳細は各ホームページを参照