現在、ほとんどの端末で海外でも通話やデータ通信が可能なスマートフォン。日本で使っている自分のスマホがそのまま海外で使えるのは大変便利だが、日本の設定のままでは高額請求されてしまう恐れがあるので注意が必要だ。
高額請求の原因は"データローミング"
通常、海外でのスマホの通信は"データローミング"という機能を使って行われる。これは、日本の携帯電話会社の電波が届かない海外へ渡航した際に、現地で提携しているキャリアの電話回線を使って通信できる仕組みだ。
つまり、"データローミング"を使うと現地の通信事業から日本を経由してアクセスすることになる。携帯電話各社ではそれぞれ海外通信向けのパケット定額サービスを用意しているが、スマホを初期設定のまま海外へ持ち出すとこのサービスが適用されず、通信費が莫大(ばくだい)になってしまうことも。渡航前にきちんと設定を確かめておくことが大切だ。
回線を遮断する設定を
設定と言っても、考え方としては日本で契約している携帯電話会社の回線を遮断しておくことが基本となる。Androidや、iPhoneで使用されているiOSなど、OSやそのバージョンによって設定画面や用語は多少異なるが、以下に代表的な手順を紹介したい。
■iOS(iPhone)の場合
1.「設定」→「モバイルデータ通信」をタップ。
2.「ローミング」をタップ。
3.「音声通話ローミング」「データローミング」「グローバルCDMA」の全てをオフに切り替える。
「設定」→「モバイルデータ通信」をタップ |
「ローミング」をタップ |
「音声通話ローミング」「データローミング」「グローバルCDMA」の全てをオフに切り替える(写真は「音声通話ローミング」のみオンになっている状態) |
※写真はiOS 8.3を使用
■Androidの場合
1.「設定」→「無線とネットワーク」の「もっと見る」をタップ。
2.「モバイルネットワーク」をタップ。
3.「データローミング」がオフになっていることを確認する。オンになっていたら、左側へスライドし、オフにする。
※写真はAndroid 5.1を使用
以上の設定でデータローミングをオフにしておけば、現地の回線に勝手につながって高額請求……という事態には陥らずに済むだろう。
飛行機の搭乗中に使用する「機内モード」にしておくのも有効だが、こちらはすべての通信機能をシャットダウンしてしまうモードだ。データローミングだけをオフにしておけば、SMSの受信や電話の着信は無料で利用できる。ただし、着信に応答して通話すると課金が発生するので注意は必要だ。必要に応じた設定で、上手に海外旅行を楽しもう。