――カップリングとして収録されている「愛、ひと欠片」は劇場版のテーマソングですが、先に制作されたのはどちらですか?

atsuko「『騎士行進曲』のほうが先です。『愛、ひと欠片』は、お正月返上でKATSUが作って、1月10日頃に歌入れをした感じです」

――「愛、ひと欠片」は、『シドニア』『騎士行進曲』とはちがってバラードになっています

atsuko「やはり映画はバラードで締めたいという思いがKATSUの中にあって」

――バラードというのは指定ではなかったのですか?

KATSU「僕のごり押しです」

atsuko「たぶん、制作側はもっとアップテンポな曲を求めていたと思うのですが、それに対してバラードの押し売り(笑)」

KATSU「TVシリーズの第1期は、(岐神)海苔夫がナミダを流して佇んでいるシーンで終わるじゃないですか。僕はそのシーンが大好きなんですけど、劇場版にはそこがなくて、みんなが勝利して帰ってくるところで曲が流れますという話だったんですよ。そうなると、僕の中では、『ガンダム』の最後でカツ・レツ・キッカがカウントダウンするシーンの印象がすごく強くて、だったらここはバラードじゃないですかって話をしました。やはり、TVシリーズと違って、映画の場合、観に来て良かったと思ってもらうためには、バラードしかない。これまでに僕が観てきた映画、それこそ『宇宙戦艦ヤマト』も『機動戦士ガンダム』も、みんなバラードで締めているじゃないですか」

――映画の場合は、たしかにバラードのほうが締まる感じがします

atsuko「実際、私たちも劇場版を観に行ったのですが、長い戦闘シーンの後、『愛、ひと欠片』が流れてきてホッとしました。ちょっとクールダウンできた感じがして。もしあそこが"ウチクダケ"だったら、うるさかったでしょうね(笑)。自分の目で観るまで、どういう風に流れるのか、どういう風に使われるのか、ドキドキしていたんですよ。でも、すごく良い感じのところで流していただいて、最後のエンドロールに繋がるあたりもすごく美しいカタチで、制作サイドの愛を感じました」

――KATSUさんは予想通りという感じでしょうか?

KATSU「いやいや、予想よりも全然良かったです。こんなにハマるとは思いませんでした」

――さて、今回のジャケットではお二人は騎乗していますね

atsuko「騎士といえばやはり馬でしょう(笑)」

――これまでに乗馬経験はあったりするのでしょうか?

atsuko「ちゃんとした馬は初めてです。それこそポニーぐらい」

KATSU「僕はラクダぐらいです(笑)」

atsuko「こんなちゃんとしたキレイな馬に乗ったのは初めてです」

――そうなると撮影は大変だったのではないですか?

atsuko「馬に乗るのもそうですが、撮影当日はすごく寒くて、しかも大雨だったんですよ。なので、もう雨さえも演出にしてしまおうという方向になったのですが、大変に強い意志と悲壮感が漂う奇跡の1枚が撮れました(笑)」

KATSU「もう寒いのと、怖いのと、痛いのとで大変でした」

――馬をまっすぐ立たせるだけでも大変ですからね

atsuko「写っていないギリギリのところで、係りの人がエサをもって待っているんですよ」

――まさにニンジンをぶら下げている状態ですね

atsuko「そうそう(笑)。エサで釣りながら、馬の目線などを調整しつつ、本当に10分くらいで撮影しました」