2015年4月1日、日本全国の企業で新入社員の入社式が開催された。この記事では、各社のトップが新たな仲間となる新入社員へおくった入社訓示を紹介する。

ソフトバンク 代表取締役社長 孫正義氏

携帯電話などの電気通信事業を手がけるソフトバンク。代表の孫正義氏は、国内他社に先駆けた「iPhone」の取り扱いや感情認識パーソナルロボット「Pepper」の開発を進めるなど、攻めの姿勢で知られている。同氏は自身の過去を振り返ったメッセージを送った。

ソフトバンク 代表取締役社長 孫正義氏

「私は16歳のときに1人で渡米し、初めての体験、初めて見る景色の中で生活しました。語学でもハンディキャップがありました。ハンディキャップは最高の贈り物で、乗り越えようと通常以上の努力をすることになります。特に若いうちは、ハンディキャップを前向きに捉えると、挑戦自体が楽しいものになり、乗り越えたときの喜び、自らにつく実力は、平々凡々とした状況と比較すると、はるかに実力をつけられるようになると思います」

「若いうちに、難しい物事にあえて挑戦し、元気に爽やかに精一杯挑戦してください。いつも明るく爽やかに努力する人を、周りはいろいろな形で応援してあげようという気持ちになるものです。私の年齢になると、20代の頃にもっと努力しておけば良かった、激しく自分を追い込んで挑戦していれば良かったと、振り返って反省することばかりです。皆さんにはこの時期を大切に、挑戦し続けてもらいたいと思います」(孫氏)

電通 代表取締役社長執行役員 石井直氏

大手広告代理店・電通。「入社したい企業ランキング」で常に上位にランクインする人気企業だ。狭き門をくぐり抜けた新入社員に対し、石井氏は東日本大震災を振り返るコメントを述べた。

電通 代表取締役社長執行役員 石井直氏(同社新卒採用HPより)

「東日本大震災から4年がたちましたが、復興への最も強い原動力となるのは、私たち一人一人の心そのものです。広告は、人の心を動かし、世の中に希望と活力をもたらす力を有しています。私たち電通は、日々の仕事を通じ、東北の復興と日本の成長に貢献することができる企業でもあります。皆さんには、その一員としての自覚を持っていただきたいと思います」

「今日から皆さんが取り組む仕事は、『小さな仕事』『地道な仕事』であると感じることが圧倒的に多いと思います。しかし、そうした地道な仕事こそが電通を支えているのであり、どんな大きな仕事も、小さな仕事を積み重ねることでしか成し遂げられない、ということを忘れないでください。今後、いま抱いている期待とのギャップに戸惑うこともあると思いますが、今日の気持ちを忘れずに、目の前の一つ一つの仕事に全力で取り組むことを期待します」(石井氏)

三陽商会 代表取締役社長 兼 社長執行役員 杉浦昌彦氏

三陽商会は2015年6月にバーバリーとのライセンス契約が終了することで話題となっている。31日には、秋冬から展開するブランド「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」の発表会が開催された。

三陽商会 代表取締役社長 兼 社長執行役員 杉浦昌彦氏

「ご存じのように当社は今、大きな節目を迎えています。昨日は次期主力事業のひとつである『ブルーレーベル・クレストブリッジ』と『ブラックレーベル・クレストブリッジ』のデビューランウェイを秩父宮ラグビー場で開催いたしました。今朝確認したところ、インターネットを中心に様々なメディアでその情報が紹介されていました。昨年から『新生サンヨー』に向けて準備してきたことを、昨日をもってほぼ全て発表したということになります。あとは突き進むだけです」

「当社は昨年度、中期5カ年経営計画を発表いたしました。今年はその2年目となり、そのタイミングで皆さんが入社されました。今年と来年は難局の時期であるにも関わらず、当社に入社してくれたことを大変うれしく思います」(杉浦氏)