JR山手線に導入予定の新型通勤電車E235系(量産先行車)が26日、信越本線・上越線・高崎線経由で都内へ輸送された。JR東日本は今年春から同車両の走行試験を行い、秋頃から営業運転を開始する予定としている。
同車両はステンレス製車体の11両編成(10号車のみ改造車、他10両は新造車両)。総合車両製作所新津事業所(新潟市)にて落成し、新潟エリアで試運転も実施されたという。26日はEF64形1032号機の牽引で信越本線・上越線・高崎線を走行し、14時すぎに大宮駅付近を通過。JR東日本東京総合車両センターのある山手線大崎方面へ向かった。
E235系量産先行車は、「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」をデザインコンセプトに開発された。エクステリアは前面の大きな窓や表示器で「人と人、人と社会をつなぐ情報の窓」を表現。前面と乗降用ドアに山手線のラインカラー(うぐいす色)も配した。インテリアは居住空間を広く感じられるオープンなデザインに。優先席を増設し、各車両にフリースペースを設置。広告媒体のデジタルサイネージ化(液晶画面化)も実施される。
消費電力の抑制をめざし、主制御器に次世代半導体素子(SiC)を採用。列車内の情報伝送システムとして開発したINTEROSや汎用無線WiMAXを用いて車内・車外間の情報ネットワークを強化し、搭載機器類の状態を常時監視して故障の予兆把握を行うことで、輸送の安定性向上を実現するという。「これまでの技術開発成果を取り入れた次世代の新型通勤電車」(JR東日本)とのことだ。