――黒井響一郎を演じる及川光博さんは、竹内さんの事務所の先輩でもあるとうかがいました。及川さんの印象はいかがでしたか?

竹内:観ている人に、こんな気持ちになってもらいたいという雰囲気……空気を作り、醸し出されるのが凄まじく上手な方です。台本を読んだだけでは、まず生まれなかった演出やシーンがありましたし、共演できて本当に勉強になりました。

稲葉:黒井と進ノ介と剛の3人が一緒にいる場面って、割と少ないんですよ。剛と黒井がいるシーンでは、進ノ介がいなかったり。いま涼真が言っていたように、及川さんは現場でのたたずまいが素晴らしく、とても尊敬できる方でした。空き時間では、僕たちへの触れ合いというか…話し方も接し方も何から何まで優しいんです。芝居の面では、道を示してくれて本当に心強かったです。

竹内:及川さんが俳優の道を志したのが、今の僕と同じくらいの年齢だったそうで、撮影の合間にはその頃のお話などをうかがいましたね。そういえば、去年のクリスマスイブは僕と稲葉くんと及川さんで過ごしたよね。たき火をして。

稲葉:あったあった。その日は、映画の中で唯一3人が同じ場所にいるシーンがあって。あの時は寒かった~! 及川さんはその日がオールアップ。メイキングのカメラが来ていたんですけど、その映像に見入ってしまいました。カッコよくて……"人間力"ってこういうのを言うんだ、と感じたことを記憶しています。

――映画では歴代の仮面ライダーが大集合していましたが、大のライダー好きという竹内さん、そして稲葉さんにとって、会いたいライダーはいましたか?

竹内:子供の頃、一番好きだったライダーが『仮面ライダー555/ファイズ』なんです。今回の映画でファイズ=乾巧を演じた半田健人さんが出演されると聞いてすごくうれしかったんですが、本編で共演するシーンはなく……。完成披露の舞台あいさつでお話できましたけれど(笑)。

稲葉:僕の仮面ライダー体験は幼稚園のころ、最初の『仮面ライダー』をビデオで観ていたんです。その後、小学生の頃にちょうど『仮面ライダークウガ』が始まって……という時期ですね。だから、僕の思い出の仮面ライダーは怖かった(笑)。「スーパー戦隊シリーズ」の方をよく観ていましたね。

竹内:ちなみに、変身後のファイズとは『仮面ライダー4号』の時に対面できました。カッコよかったなあ。

――最後に、お2人にとって「ヒーローはこうあるべき」という理想像を教えてください。

稲葉:剛自身は、ストレートな正義のヒーローじゃないんですよ。剛の正義は「姉ちゃん」だから(笑)。人間的にはどうしようもないけど、能力は高いという。こんなやつヒーローじゃないって言われたらどうしようか……とも思うんですけど。「仮面ライダー」的なことをいうと、"最終的に勝つ"というのが正義だと思います。

竹内:『ドライブ』のキャラクターって、みんな優しいんですよ。敵であるロイミュードにも彼らなりの倫理観や正義感があってね。そんな中で、僕が憧れるヒーローの条件を言うと、"思いやり"があること、かな……。この質問は自分にとって、本当に難しいんですよ。

稲葉:自分にとって「ヒーロー」とは何か? という問いには、一生考え続けるかもしれない。

竹内:『ドライブ』の撮影が終わる頃までに、何かはっきりした答えを得られるといいんだけれど。

稲葉:今後いい答えができるように、2人の意見をすりあわせておこうよ(笑)。

■プロフィール
竹内涼真
1993年4月26日生まれ。東京都出身。2013年、女性ファッション誌『mina』初の男性専属モデルオーディション「minaカレ」でグランプリを受賞。日清カップヌードルCM「SURVIVE! 就職氷河期編」(2014年)、dビデオ『10日間で運命の恋人をみつける方法』(2014年)などに出演し、2014年10月より『仮面ライダードライブ』で主演を務める。

■プロフィール
稲葉友
1993年1月12日生まれ。神奈川県出身。2009年、第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで過去最多の1万5,491人の中からグランプリを受賞。TVドラマ『クローンベイビー』(2010年)で俳優デビューを果たす。舞台『真田十勇士~ボクらが守りたかったもの~』(2011年)では、舞台初出演にして主演。その後、舞台『飛龍伝』(2013年)、TVドラマ『クローバー』(2012年)、映画『モンスター』(2013年)、そして2014年12月28日放送回より『仮面ライダードライブ』に出演している。

「スーパーヒーロー大戦GP」製作委員会
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