ファイザーはこのほど、「閉経後の女性の骨粗しょう症に対する意識・実態調査」の結果を発表した。同調査は2月5日~7日、50代以上の閉経後女性3,090人を対象にインターネット上で実施したもの。

「あなたは骨粗しょう症という病気を知っていますか?」

はじめに「骨粗しょう症」の認知度について調査を行った。その結果、「どのような病気か詳しく知っている」(76.6%)、「名前を聞いたことはあるが詳しくは知らない」(23.2%)をあわせると、99.8%が骨粗しょう症について認識していることがわかった。

そこで、骨粗しょう症について認識している人にいくつか質問をした。まず「骨粗しょう症の具体的な症状や情報について知っていること」を聞くと、「骨がスカスカになる」が91.0%で最多となり、次いで「骨がもろくなりちょっとしたことで骨折しやすくなる」(88.2%)、「骨折して寝たきりの原因にもなる」(76.0%)が続いた。

一方、「糖尿病などの生活習慣病と関連がある」(12.9%)、「放っておくと悪化し寿命が短くなる」(19.3%)、「骨折しても痛みや自覚症状がないことがある」(34.7%)、「治療すると骨折をある程度防ぐことができる」(45.7%)などについては、半数以上の人が知らないことがわかる。

また、「もし骨粗しょう症で病院を受診するとしたら、どこへ行くと思うか」と尋ねたところ、「整形外科(診療所 / クリニック)」(38.7%)、「整形外科(大きな病院)」(24.2%)、「内科(診療所 / クリニック)」(12.5%)の順で多い結果となった。一方、14.9%の人は「どの診療科に行けばよいかわからない」と回答し、特に50代の回答者では19.0%と約2割を占めている。

「あなたは、ご自身が骨粗しょう症になると思いますか?」(「骨粗しょう症のことを知らない」と回答した人以外を対象)

次に「自身が骨粗しょう症になると思うか」を尋ねたところ、72.1%が「骨粗しょう症になる可能性があると思う」「今はないが、将来なる可能性があると思う」と回答。しかし、その中で骨粗しょう症の検査を受けたことがない人は35.7%にのぼっている。

一方で「骨粗しょう症になる可能性はないと思う」と答えた人も20.8%おり、その理由を聞いたところ、「食事に配慮しているから」(49.2%)、「適度な運動をしているから」(47.7%)という回答が上位にあがった。

「骨粗しょう症の検査を受けたことがありますか?」(「骨粗しょう症のことを知らない」と回答した人以外を対象)

さらに「骨粗しょう症の検査を受けたことがあるか」との質問については、「受けたことがない」人が33.3%。50代では51.0%と半数以上にのぼっている。

エリア別で見ると、検査を受けたことがない割合は九州エリアでは46.2%、中国エリアでは41.7%と4割以上に達し、関東エリアの30.5%、中部エリアの32.1%、近畿エリアの32.9%と比べて1割程度高くなっている。なお、「身近な人(親族、知人問わず)で、骨粗しょう症になった人がいる」人(29.7%)であっても、23.9%が検査を受けたことがないことがわかった。

「検査を受けたことがない」と回答した人に未受診の理由を聞くと、「気になる症状がなかったから」が44.8%で最多となった。次いで「検査を受けに行くきっかけがなかったから」(44.6%)があがっている。

「あなたは若い頃より身長が低くなりましたか?」

続いて、全回答者に対して「若い頃より身長が低くなったか」との質問をした。その結果、「身長が2~3cm縮んだ」は35.4%、「身長が4cm以上縮んだ」は3.7%と、あわせて約4割の人が2cm以上身長が縮んでいたことがわかった。

「あなたは骨粗しょう症の治療をしたことがありますか?」(「若い頃より身長が2cm以上縮んだ」と回答した人対象)

なお、「2cm以上の身長低下の場合は、50%以上の可能性で背骨の骨折がある」という報告もあるという(「Siminoski, K. et al.: Osteoporos Int 16(4): 403, 2005」より)。それを踏まえて、「若い頃より身長が2cm以上縮んだ」と答えた人に「骨粗しょう症の治療をしたことがあるか」と尋ねたところ、73.2%の人が「骨粗しょう症と診断されておらず、治療もしていない」と回答。骨粗しょう症の症状が放置されている可能性が示唆された。