北近畿タンゴ鉄道の運行会社が変更され、4月1日から「京都丹後鉄道」に生まれ変わる。あわせて路線名と一部駅名も変更される。
現在の北近畿タンゴ鉄道は、宮福線(福知山~宮津間)・宮津線(西舞鶴~豊岡間)の2路線を持つ。JR西日本と相互直通運転を行い、山陰本線から乗り入れる特急「はしだて」、自社線内で運転される特急「たんごリレー」のほか、水戸岡鋭治氏デザインのリニューアル車両「あかまつ」「あおまつ」「くろまつ」による列車も運転される。しかし、沿線人口の減少や道路網整備のさらなる進展も影響し、同社を取り巻く経営環境は厳しい情勢が続いていたという。
昨年5月、北近畿タンゴ鉄道の最適提案事業者にWILLER ALLIANCEが選定され、新たに鉄道会社「WILLER TRAINS」を設立。今年4月1日からWILLER TRAINSによる運行・運営が開始され、鉄道名は「京都丹後鉄道」(略称「丹鉄」)となる。現在の宮津線は宮津駅を境に分離され、「宮舞線」(西舞鶴~宮津間)・「宮豊線」(宮津~豊岡間)に路線名を変更。計7駅で駅名も変更され、現在の宮津線野田川駅は「与謝野駅」、丹後大宮駅は「京丹後大宮駅」、木津温泉駅は「夕日ヶ浦木津温泉駅」、丹後神野駅は「小天橋駅」、甲山駅は「かぶと山駅」、但馬三江駅は「コウノトリの郷駅」、宮福線厚中問屋駅は「福知山市民病院口駅」となる。
京都丹後鉄道(丹鉄)では、「鉄道を基軸とした高次元交通ネットワーク」による「住みやすいまち・行ってみたいまち」づくりに取り組む。鉄道中心の交通ネットワークを構築するほか、日常生活に必要な施設と交通サービスがコラボした新サービスの提供、目的地までの距離に応じた最適な交通手段の整備、公共交通のない地域での新たな交通サービスの開発も視野に入れているという。ICT(情報通信技術)も活用し、乗降り・乗継ぎでの利便性向上を図るとともに、会員化によるコミュニケーション促進やマーケティングデータをもとに、利用者の望む商品開発の検討も進める。
地元利用者や観光客向けの企画乗車券も多数用意。1,000枚限定「京都丹後鉄道開業記念フリーきっぷ」(丹鉄全区間の特急・快速・普通列車自由席に乗り放題)も発売予定だ。レストラン列車「くろまつ号」に新たなコースも登場するという。なお、4月以降の便数およびダイヤに関して、「変更内容は改めて発表させていただきます」としている。