「ウーマンウェルネス研究会supported by Kao」はこのほど、乾燥とストレス意識についての調査結果を発表した。同調査では2014年9月、全国の20~50代の女性1万人を対象にインターネットで実施したもの。

「肌・目の乾燥意識」

調査の結果、顔や身体の肌の乾燥を感じる人は76.6%、目の乾きを感じる人は71.3%と、両部位ともに半数以上の人が乾燥を感じていることがわかった。

「東京都 相対湿度の月平均値(%)」

そこで同研究会は、肌と目の2つの乾燥の原因と毎日のケアについて2人の医師に聞き、次のようにまとめている。

まず乾燥肌について、花王スキンケア研究所の主席研究員・石田耕一氏に聞いたところ、1964年から2013年の約50年間で、東京都の相対湿度(ある温度で空気に含むことができる最大限度の水分量「飽和水蒸気量」に比べ、「どの程度の水分や水蒸気を含んでいるか」を示すもの)の年平均は、1964年の年平均が68%なのに対し、2013年は61%まで下がっている。また、近年は冬の湿度が40%台まで低下することもあり、最適湿度の50~60%を大きく下回っているとのこと。

「肌の美しさを保つ最適湿度は50~60%。それ以下になると肌が乾燥し、肌あれや小ジワの原因になります。また、最適温度は21~23度といわれますが、それ以下になると血行の悪化や肌あれ、くすみを引き起こしかねません。特に気温が下がり、密閉された室内で暖房を使用することが増える季節が1年の中でも特に肌が乾燥しやすいといえます」と石田氏。

「体の基本の洗い方」

乾燥対策には、洗浄、保湿、紫外線防御のスキンケアの三本柱で予防する必要があるという。セルフケアとしては、「洗浄剤は刺激の少ないものを使用し、肌を擦らずになで洗いし、よくすすぐ」「入浴は38~40 度程度のぬるめのお湯で、保湿系の入浴剤を使う」「洗浄後には必ず保湿ケアをし、『セラミド機能成分』配合の保湿剤を使用する」「肌の乾燥、バリア機能低下を招く紫外線対策を行う」などがあげられる。

続いてドライアイについて、「後藤眼科医院」(鎌倉市)の院長で医学博士の後藤英樹氏に聞いたところ、ある調査によるとドライアイに悩む方は2,200万人いるといわれ、1995年の約3倍近くにものぼるという。

以前は加齢がその原因だったが(※)、最近ではパソコンやスマートフォンの使用など、目に負担がかかる生活があげられるという。また、年齢や性別を問わず、むしろ若い世代にも多く見られるのも特徴。※歳をとることで涙の分泌量が減るといわれており、涙の分泌は女性ホルモンに関連することから、ドライアイは女性ホルモンが減少してくる40~50代以上の女性に多くみられた。

「コンタクトレンズの使用や一年中エアコンを使用して乾燥しやすいオフィスや住環境、ストレスや不規則な生活もドライアイを引き起こす可能性があります」と後藤氏。これを「現代型ドライアイ」といい、目の疲れがなかなか抜けない眼精疲労も同時に起こることが多く、目の休息やリフレッシュをすることが重要だという。

「ドライアイに対する、蒸しタオルの温めによる改善効果」

セルフケアの中でも、目元を温めることが効果的であることがわかっているという。目のまわりの血めぐりがよくなり、乾燥や眼精疲労を解消するだけではなく、リラックス効果も期待できるとのこと。具体的には、「約40度の蒸しタオルで10分程度温めること」があげられる。

「遠近ピント合わせストレッチ」

このほか「パソコンやテレビの画面の位置は目線よりも下にする」「遠近ピント合わせストレッチ(遠くを見る、近くを見るを5~10回繰り返す。遠近それぞれの位置にピントを合わせて数秒キープする)」なども効果的だという。