資生堂の「ばら園 ローズハンドクリーム RX」をはじめ、さまざまなタイプがあるハンドクリーム。正しく使えば、「手元美人」に近づける

手の荒れや乾燥が気になる冬場は、女性にとって悩ましい季節だ。そんなときでも美しい手元を保つには、どうしたらよいのだろうか。「美のプロフェッショナル」である、資生堂の化粧品開発センター 美容法開発グループの根岸茜子(せんこ)研究員に、「手元美人になるためのハンドケア」について話を伺った。

ハンドクリームを有効活用しよう

そもそも、「体の部位で最も刺激にさらされる環境にある」という手は、一年中、肌が荒れる危険にさらされている。特に、手のひらには皮脂を出すための皮脂腺が存在しないため、「身体の中でもうるおいが逃げやすい」という。

すなわち、シーズンを問わずに、手荒れになるリスクはあるわけだが、「気温や湿度が低下する時期は特に、乾燥によるささくれや、手荒れが気になりやすいです」と根岸研究員は話す。どうしても手や指先が荒れているのが目立ちやすくなってしまう季節だけに、しっかりとしたケアをすることが大切になってくるというわけだ。

そこで、乾燥や荒れから手を保護する際に活用したいのがハンドクリーム。数ある種類の中でも、「うるおい豊かで美しい指先を保つお手入れには、なじませるだけでうるおいを保持してくれ、バリアー機能を高めるハンドクリームが効果的です」。

ただ、日常生活で酷使しがちな手や指先の皮膚は、乾燥して硬くなりがちだと根岸研究員は解説する。そのような状態でハンドクリームをなじませても、せっかくの効果が軽減されてしまう。そこで、水分を与えて指先をやわらかくほぐしてからハンドクリームをなじませることが、「手元美人」になるためのポイントだという。

クリーム塗布後のマッサージもお勧め

根岸研究員は、「手元美人」になるためにも以下のケアを実践してほしいと話す。

■STEP1

コットンに化粧水を塗り、手の甲と手のひらになじませる

■STEP2

化粧水をコットンにたっぷりと含ませて薄く裂き、5分程度指先に巻く(特に指先が硬くごわついているときにお勧め)

■STEP3

指先がやわらかくほぐれてきたら、ハンドクリームを塗布する

STEP3でハンドクリームを塗布する際に手のマッサージを行うことで、冷え対策にもつながるとのことなので、ぜひ試してもらいたい。

ハンドマッサージは簡単なので、トライしてみよう

自分に合ったタイプを賢く使うことが大切

多くの女性に愛用されているハンドクリームだが、女性の細やかなニーズに応えるべく、実に豊富な商品が販売されている。

フランスの化粧品メーカー・ロクシタンの日本法人であるロクシタンジャポンは、西アフリカのブルキナファソで「神秘の木」としてあがめられている「シア」を活用。「ホイップシア」シリーズとして展開し、ハンドクリームも販売している。

日本のメーカーでは、資生堂が医薬部外品の「ばら園 ローズハンドクリーム RX」を販売している。薬用有効成分「グリチルレチン酸ステアリル」などをはじめ、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの美容成分も配合。さらに「天然ブルガリアンローズ」(エッセンシャルオイル)を含むため、リラックス効果も得られるという。

花王は「アトリックス」ブランドでハンドクリームを展開する。「ビューティーチャージ」や「メディケイティッド」など、用途に合わせて消費者が選べるよう、複数のアイテムを販売。各社がさまざまな工夫をこらしている。

今年の冬は、お気に入りのハンドクリームをこれまで以上に上手に使うことで、「手元美人」を目指してみよう。

取材協力: 根岸茜子(ねぎし せんこ)

資生堂に入社後、エステティックソフトやボディー製品、マッサージ理論の開発などに携わる。また、マタニティーエステ(愛育病院との共同研究)の開発や美容機器、セルライトの研究にも従事。現在は資生堂リサーチセンターにてベネフィーク店頭施術、「リフトアップメソッド」の開発や、ボディー/スキンケア製品の美容法開発を担当。日本エステティック協会の認定エステティシャンであり、フランスの国家資格(エステティシャン)も取得するなど、多数の資格を保持している。