「冬になると肌は乾燥するもの」と思っている人は少なくないだろう。確かに、気温が下がるとともに湿度が低下し、肌からも水分が奪われがち。ただ、多くの人が感じている全身のかゆみやカサカサ、粉ふきは、季節性の湿度低下だけが原因ではないのだ。

また、自分は乾燥肌とか敏感肌と思って、「この時期の乾燥は仕方ない」と感じている人も、実は違う理由が乾燥を招いているケースが非常に多い。今回は、冬の季節の乾燥について紹介しよう。

冬の季節は乾燥肌が気になるが……

美容のための「長風呂」が肌乾燥を促進させる?

冷え予防やリラックスなどのために、「お風呂美容」とか「長くゆったりと湯船につかる」という方法が、さまざまなメディアで紹介されているのを目にしたことがある人もいるだろう。実際にお風呂の入り方を聞いてみても、「入浴しながらスマホをチェック」とか「入浴しながら読書」「DVDやテレビ観ながら1時間以上入る」という人も少なくない。

入浴には血行をよくして、新陳代謝を高めるといういい面があるのも事実だが、その反面、過度にお湯に漬かるのは肌には大きな負担をかけてしまう。例えば、肌に必要な皮脂や天然の保湿因子が入浴中に流れ出てしまうといったことだ。さらに、体を温めると肌はかゆみを感じやすくなるため、入浴で保湿力が低下した肌は、よりかゆみを発生しやすくなってしまうわけです。

肌老化を促進させない入浴法とは

肌の潤いに大きく関係する皮脂量は、年齢とともに減少する。常に肌が乾燥する状態でいると、皮脂量は低下し続ける状態になるので、肌は厚く硬くなりシワも増えてしまうことにもつながる。肌乾燥を慢性化させないためにも、肌に負担をかけない入浴法を見直すことが必要だ。

湯船に10分以上漬かっている人はもちろん、それ以外の人もちょっとした入浴の仕方が肌にダメージを与えている可能性もあるので、もう一度入浴法を確認してみよう。

対策1 洗顔と同じ感覚で、お湯を体に軽くなじませて体を洗う

顔も体も、皮膚は同じ組織でできている。洗顔するときに、顔をお湯に長く浸してから洗顔剤をつけないだろう。体も顔を洗うのと同じ。軽く体を湿らせて、湯船に入る前に、体を洗うといいだろう。

対策2 洗顔と同じようにたっぷりの泡を使って、手で洗う

洗顔するとき、「泡でやさしく洗いましょう」とよく言われるが、これは体も同じ。ナイロンタオルや硬いブラシなどでゴシゴシこすると、皮脂膜を取りすぎてしまうことになる。また、過度な刺激で肌表面に細かい傷ができ、肌荒れや炎症などのトラブルを起こしやすくなりかねない。

対策3 熱いお湯での入浴&長風呂は見直しを!

入浴は、体を芯から温めて冷え予防などにも効果があると言われている。だが、肌乾燥の観点から見ると、長時間にわたって熱いお湯に漬かることは肌に大きな負担をかけてしまうので、控えるようにしよう。

対策4 お風呂から上がったらすぐに保湿ケアをするべし

お風呂から上がった肌は、皮脂も保湿因子も不足している状態だ。そのまま放っておくと、水分が蒸散されてどんどん肌は乾燥していく。そのため、入浴後はできだけ素早く全身に保湿ケアをしてあげるようにしよう。また、体を泡でやさしく洗っても、お風呂から上がったときに、ゴワついたバスタオルでこするように体を拭いたのでは意味がない。お風呂から上がった肌は一番デリケートなので、肌あたりがやさしいタオルで、軽く押しあてるようにやさしく水分を取ることを忘れないでほしい。

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