歌手の安室奈美恵が7日、東京・原宿の国立代々木競技場第一体育館で全国ツアー「namie amuro LIVE STYLE 2014」の東京公演を行った。
「namie amuro LIVE STYLE 2014」は、8月22日の静岡エコパアリーナを皮切りに全国13都市37公演を行う全国ツアー。12月23日の国立代々木競技場第一体育館で千秋楽を迎え、約31万人の総動員数を予定している。この日は約1万人のファンが集まり、開演直前にはJR原宿駅周辺から会場まで長蛇の列が続いた。
安室はこの日、バイオリニスト・葉加瀬太郎と往年の名曲でコラボレーションした「CAN YOU CELEBRATE? feat.葉加瀬太郎」をはじめ、北川景子と錦戸亮がW主演を務めた映画『抱きしめたい -真実の物語-』の主題歌「TSUKI」やフジテレビ系ドラマ『ファーストクラス』の主題歌「BRIGHTER DAY」など、アンコールを含む全29曲を披露。会場中からの「奈美恵」コールを全身で浴びながら登場し、約2時間15分にわたってファンを熱狂させた。
序盤でひときわ声援が大きかったのは、6曲目「FUNKY TOWN」と8曲目「グロテスク feat.安室奈美恵」。グリーンのラインストーンミニドレスとニーハイブーツ姿で現れると、女性ファンを中心に「かわいい!」と黄色い声が上がった。「FUNKY TOWN」は"椅子取りゲーム"の要素を採り入れた今ツアーオリジナルの振り付け。ダンサーと6脚の椅子を奪い合いながら、美脚全開で華麗な脚さばきを披露する。
一方、今ツアー初披露の「グロテスク feat.安室奈美恵」は今年4月に発売された平井堅とのコラボ楽曲で、平井パートを含め安室が一人で歌唱。全長3.7メートルの馬のオブジェに乗り、楽曲の後半では馬の尻をムチでたたくなど、ワイルドかつセクシーな演出で会場を盛り上げた。
今ツアーは、会場ごとの異なるセットと衣装が特徴。高さ約8メートルと幅約35メートルのメインステージ、直径約8メートルの円形サブステージを駆使し、楽曲ごとの世界観で観客を魅了した。また、セットリストの構成も独特で、今年6月に発売されたバラードベストアルバム『Ballada』に収録されている全15曲のうち、セットリストに入っていない11曲の中から公演ごとにランダムで1曲が選ばれる(この日は「Let Me Let You Go」)。
ライブにMCの時間を設けないことでも知られる安室。この日もファンに呼びかけたのは、ステージを後にする直前の「今日はどうもありがとうございました! バイバーイ!」のみで、各楽曲の歌唱後は即暗転。これだけ聞くとあっさりしたライブのように思えるが、衣装チェンジの数分を除いてほぼノンストップの生歌とダンスを繰り広げ、観客に息つく暇を与えない。
このスタイルを承知の上で足を運ぶファンたち。言葉は交わさずとも、安室は最終曲でステージをまわりながら客席に向けて必死に手を振り、思わず感極まって歌詞が詰まってしまう場面もあった。来年2月11日には、同ツアーのライブDVD・Blu-rayを発売予定。この"安室奈美恵の真髄"を体感できる内容になっているという。