11月19日、エアバス社の最新型旅客機、A350XWB(エクストラ・ワイド・ボディ)が羽田空港に初飛来した。
787に迫る勢いで750機を受注済み
快晴の羽田空港に姿を現したA350。CGを見た時に感じた安定感は予想通りだったが、本物は思った以上に両翼が長い印象だった。300席前後の旅客機としては大型の印象を受けたのは、それに加え、このクラスでは最大レベルの胴体幅を持つからだろう。客室内の座席を見ると、両端の席の肘掛から肘掛までのサイズは5.58mで、このクラスでは最大なのだ。
A350XWBには800、900、1000の3タイプのファミリー機があり、飛来したのはA350-900。機体番号「MSN005」のテスト機だ。11日間をかけて行うアジアでのデモフライトの一環として日本を訪れた。
A350XWBはボーイング787のライバル機にあたり、同機に迫る勢いの750機をすでに受注済みだ(2014年11月17日時点)。日本のエアラインではJALがA350-900を18機、A350-1000を13機、それぞれ確定発注し、25機をオプションでオーダー。2019年以降に運航を開始する予定だ。
年内にもカタール航空へ引き渡し
A350XWBは機体の大半に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使用し燃費効率を良くすることで経済性を高め、湿度や気圧などを従来機より地上に近くするなど機内環境の快適性を向上させるなどボーイング787と競合する性能を持つ。「燃費効率は25%向上する」(エアバス)という。客室窓や頭上の手荷物棚も従来の同クラス機よりワイドに設計されている。
飛来した機体には機種名の「A350」と「Around the world」の文字がペイントされているが、文字通りに世界を飛び回る日も近い。順調に進めば年内にもローンチ・カスタマーのカタール航空に初号機が引き渡される予定だ。