東京都のとなりで成田空港を有する県という場所柄、ビジネスシーンでも宿泊する機会があるのが千葉県だろう。その千葉県でとっておきのビジネスホテル無料朝食を紹介しよう。

ビジネスホテル内にイタリアンレストランがあるのもポイント(写真は「ホテルニューツカモト」)

ビジネスホテルの無料朝食といえば、今や有名全国チェーンホテルの充実がめざましく、全国的にほぼ同じクォリティ・内容となっている。ここでは、地元密着の独立系や小規模チェーンのビジネスホテル無料朝食にスポットをあててみたい。なお、本文では別途料金が発生する「有料朝食」との対比で「無料朝食」と定義している。

ご飯もパンも食が進む進む!

千葉県と言えば、東京のベッドタウンでもある松戸市や船橋市、県庁所在地である千葉市のような都市部から、国際空港で有名な成田市、リゾート地としても有名な房総方面まで様々な顔を持つ町がある。そのような中、ビジネスホテルとなれば都市部の立地に絞られてくるが、有名全国チェーンのビジネスホテルに対抗すべく無料朝食を提供する地方小規模ホテルチェーンのひとつに、「ホテルマークワン」がある。

同ホテルは千葉県内の北総線「千葉ニュータウン駅」や常磐線「天王台駅」といった、ベットタウン駅至近に展開。その他、隣県茨城のつくば研究学園都市にも店舗を有するが、全店舗でレベルの高い無料朝食を提供している。

千葉ニュータウン駅近くの「ホテルマークワンCNT」では、ウッディなインテリアを用いた空間にてビュッフェモーニングを用意。こちらの店舗だけに限らず、ホテルマークワンチェーンでは全店舗で、煮物・揚げ物・焼き物といったご飯がすすむ和食メニューの他に、パンも数種類、卵料理やサラダなども充実させ、洋食もカバーするラインナップになっている。ビュッフェスタイルということもあり、朝からついつい食べ過ぎてしまいそうな充実した内容だ。

「ホテルマークワンCNT」では、和洋中そろったメニューを好きなだけチョイス

ロールキャベツから始まる朝も

県庁所在地で大都市の千葉市からは、「ホテルニューツカモト」に注目したい。千葉市では千葉駅周辺にホテルは林立、全国チェーンも多数するが、海岸に沿う京葉線「千葉みなと駅」周辺にもホテルが多い。千葉都市モノレールでJR千葉駅とも結ばれており利便性の高い駅だ。

同ホテルは千葉みなと駅から徒歩2分の立地。シティホテルクラス規模の大きなホテルである。大手ビジネスホテルチェーンのように、ホテルとして「無料朝食」と大きくうたってはいないが、宿泊者全員を対象として別途料金を設定せずに朝食を提供している。

ホテル1階にあるイタリアンレストラン「パスタスタジオMAMMA MIA(マンマミア)」が宿泊者の朝食専用スペースで、ビュッフェスタイルで提供されている。オープンキッチンの明るい店内では、ウインナやスクランブルエッグ、焼き魚などのホットミールが並ぶ。ロールキャベツまであるのがうれしい。サラダ、ご飯にパン、通常イタリアンレストランの営業で使われているドリンクバーも無料と充実の内容だ。

充実のホットミールがそろう「ホテルニューツカモト」の朝食

ビジネスホテルではホテル内にレストランが併設されていないケースは多く、朝食会場には談話スペースなども兼ねるパブリックスペースが利用されるケースが多い。ホテルニューツカモトでは前述の通りイタリアンレストランでの提供であるが、ビジネスホテルカテゴリーにしてホテル内でレストランクオリティーの無料朝食が提供されているケースにも注目である。 

※記事中の情報は2014年11月取材時のもの

筆者プロフィール : 瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)

ホテル評論家、旅行作家。オールアバウト公式ホテルガイド、ホテル情報専門メディアホテラーズ編集長、日本旅行作家協会正会員。ホテル評論家として宿泊者・利用者の立場から徹底した現場取材によりホテルや旅館を評論し、ホテルや旅に関するエッセイなども多数発表。テレビやラジオへの出演や雑誌などへの寄稿・連載など多数手がけている。2014年は365日365泊、全て異なるホテルを利用するという企画も実践。著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)、『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)などがある。

「ホテル評論家 瀧澤信秋 オフィシャルサイト」