東京メトロは24日、銀座線1000系新造車両(3次車)にPMSMとSiCを用いた世界初の主回路システムを採用すると発表した。2015年度からの営業運転開始を予定している。

東京メトロ銀座線1000系

銀座線1000系は2012年4月、第1編成が営業運転を開始。1927(昭和2)年の地下鉄開業当初から活躍した旧1000形をモチーフとしたレトロ調のデザインで、消費電力量の少ないPMSM(永久磁石同期電動機)やLED照明を採用するなど環境配慮型の車両となり、2013年には地下鉄車両初のブルーリボン賞を受賞した。現在は追加導入も進み、2016年度までにすべての銀座線車両を1000系に置き換える予定となっている。

現在運用中の1000系1・2次車では、従来車両01系のIM(誘導電動機)主回路システムとの比較で約30%の消費電力削減を実現している。今後導入予定の3次車では、さらなる省エネルギー化をめざし、PMSMを改良して効率の向上を図った。

新設計のPMSMと、SiC(シリコンカーバイド)ダイオードを用いたVVVFインバータ装置などを組み合わせた主回路システムの採用は世界初。同システムにより、IM主回路システムと比べて約37%の消費電力削減が可能となる見込みで、これは1日平均で1編成あたり920kWh(一般家庭92世帯分に相当)の電力を削減できることになるという。