エン・ジャパンは22日、「ホワイトカラー・エグゼンプション制度」についての調査結果を発表した。同調査は7月1日~31日の期間、「エン・転職コンサルタント」利用者1,764名を対象に実施された。

年収が高いほど、肯定派が多くなる結果に

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度(日本型新裁量労働制)」とは、労働時間に関係なく、成果に対して給料を支払うという新成果給制度。残業代ゼロ法案とも呼ばれている。

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度は必要だと思うか」という質問に対して、「必要」は26%、「不必要」は56%であった。

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度は必要だと思うか」

年収別に見ると、今回の制度対象とされている「年収1000万円以上」の人で「必要」と回答した人は37%で、全体よりも肯定派が多いという結果になった。一方で、「年収499万円以下」の人では「必要」という回答が23%となった。

「年収1000万円以上」で「必要」と回答した人の理由としては、「残業代を稼ぐためのダラダラ残業は、企業の生産性を低下させ、ワークライフバランスを妨げる」、「現在の制度のみでは、効率の悪い人が残業すればするほど、残業手当がもらえることになり、仕事ができる人ほど損をする。現在の制度は、会社から早く帰りづらい雰囲気を助長している」という声が上げられた。

「年収1000万円以上」で「不必要」と回答した人の理由としては、「日本では『残業手当は100%支払う』という制度が定着していない。依然としてサービス残業がまかり通っている。サービス残業をゼロにした上で新たな法をつくらないと、経営側にのみ有利なサービス残業奨励法になりかねない」、「働いた時間を全く賃金に反映しなくなると、モチベーションが上がらない」という声が寄せられた。

また「現在勤めている企業(若しくは直近で勤めていた企業)で月間残業時間はどの程度あるか」という問いでは、「21~40時間以内」が26%で最多に。「年収499万円以下」では「全くない」「1~10時間以内」「11~20時間以内」という回答が半数を占めた。

「現在勤めている企業(もしくは直近で勤めていた企業)で月間残業時間はどの程度あるか」

ホワイトカラー・エグゼンプションのメリット、デメリットは?

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなメリットがあるか」については、「特にメリットを感じない」(40%)が最多に。続いて「無駄な残業代がなくなる」(37%)、「自分のペースで柔軟な働き方ができる」(25%)となった。年収別に見ると、「年収1000万円以上」の人では「無駄な残業代がなくなる」(39%)、「年収499万以下」の人では「特にメリットを感じない」(44%)が最多となった。

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなメリットがあるか」

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなデメリットがあるか」という質問に対しては、第1位が「サービス残業の助長」(70%)、「残業代や割り増し手当が支払われない」(60%)、「一人あたりの仕事量が増加」(42%)という結果になった。

「ホワイトカラー・エグゼンプション制度を入れた場合、どんなデメリットがあるか」

「ホワイトカラーの生産性を上げる方法」については、「業務の優先順位の明確化」(55%)、「打ち合わせ時間を短縮」(43%)、「一日のスケジュール管理を徹底」(37%)が上位になった。