子どもの頃によく口にした飲み物は、成長したあと、そして故郷を離れたあとも度々思い返しては飲みたくなるものだ。高知県民にとって、そうした心のよりどころとも呼びたくなるソウルドリンクは、間違いなく「リープル」だろう。
リープルは、40年以上にわたって発売されているという超ロングセラー乳酸菌飲料だが、県外では販売されている店が限られているため、他県民にはあまりその存在を知られていない。
商品開発の経緯は不明!?
しかし、高知県民にとっては近所のスーパーで購入できて当たり前の身近な存在ゆえ、高知県限定商品だと気付いていない県民も多いのだという。そうしたストーリーのおもしろさから、テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」に取り上げられたこともあるというが、もっとおもしろいことに、商品開発のきっかけを知っている社員がいないという。
「社長さえ知らないんです。そもそも、商品名表記が『RIPPLE』なのになぜ『リップル』ではなくて『リープル』と読むのかさえ分からないんです」。そう教えてくれたのは、リープルを製造するひまわり乳業広報の内牧陽菜さん。
内牧さんによると、大正11年(1922)創業という長い歴史を持つ同社が、商品開発の経緯を把握していないのは、県内のいくつかの乳業メーカーが合併して発展した会社だからなのだという。「誰も誕生時のことを覚えていないくらい昔からあるからか、工場見学にいらした年配の方にリープルをお出しすると、みなさん口々に『懐かしいね』とおっしゃるんですよ」と内牧さん。
同社では工場見学を無料で受けつけているため、毎月、老若男女問わず多くの人が会社に訪れるのだとか。「1時間程度の見学の後、試飲も楽しんでもらっています。リープル以外には、『ひまわりコーヒー』(250円/1,000ml、140円/500ml、84円/200ml)をお出しすることもあるんですが、どちらも大人気ですね」。
乳酸菌の爽やかさと甘い香りがやみつきに
しかし、大人も子どもも喜ぶリープルって一体どんな味なのだろう? その疑問をストレートにぶつけたところ、「リープル味としかいいようがないですね。他の社員もみんなそう言います」となんとも斬新な切り返し!!
では、その「リープル味」がいかなるものか確かめてみようではないか! と製品をコップに注いで鼻を近づけると、やさしく香る甘いニオイで早くもリラックス状態に。そして一口いただくや、乳酸菌飲料特有の爽やかな風味とマイルドなうまみが口いっぱいに広がり、うっとりとした心地よさである。
しかも、筆者は高知県出身ではないのに、どことなく懐かしいような感覚を覚える。子どもの頃、親や幼稚園の先生が用意してくれた飲み物のようなやさしい味だからであろう。
社長自身が大のリープルファン
「明確な発売開始時期は不明ですが、50年前くらいまでは記録が残っているので、50代以上の方もみなさん、子どものころから親しまれていた味なんですよ。ちなみに、うちの社長も小さいときから飲んでいた『リープルファン』のひとりです」。
そう言いながら見せてくれた写真は、県内でレストランを運営するご友人に描いていただいたという、社長の似顔絵付きの「リープルTシャツ」を着用して、商品を口にする社長の写真。胸部に描かれたイラストがあまりにもご本人そっくりで思わず吹き出してしまうが、笑いがおさまる頃には、リープルへの愛の深さに感動すら覚えてしまう。
食べられるリープルも
さらに、数年前からは、リープルをそのままゼリーに仕上げた「リープルゼリー」の販売も開始するなど、社長のリープル愛はとどまるところを知らない。ちなみにこのゼリー、リープルの爽やかさとゼリーの弾力を一度に楽しめるなんともお得な逸品。リープルファンにもリープル未体験者にも、ぜひトライしてみてほしい。
また、高知県大豊町の契約農家でとれる10種類の無農薬野菜で作った青汁「菜食健美」も同様に強力プッシュしたい。というのもこの商品、社員が野菜の種まきから手掛けているというのだ。
さらに、日本ならず世界でも初の試みとして、牛乳パックに搾乳日を印字した「高知育ち乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」も魅力。なんせ、搾った翌朝6時には出荷するという鮮度のこだわりようだ。その新鮮さを確かめてみたいという人は、リープルともどもオンラインショップからご注文をどうぞ。
「菜食健美」(※宅配サービスでのみ販売) |
「高知育ち 乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」(300円) |
※記事中の情報・価格は2014年8月取材時のもの。価格は税込