本田技研工業は11日、HondaJetの開発責任者であり、同社の航空機事業子会社ホンダ エアクラフト カンパニー社長の藤野道格氏が、航空科学 / 工学の発展を促す国際的な団体「ICAS」の「航空工学革新賞(Award for Innovation in Aeronautics)」を、ロシアで開催されたICAS会議において受賞したと発表した。

ICAS会議での授賞式の様子。左から、ICAS代表のマレー・スコット氏、藤野道格氏、ICAS委員のスーザン・イン氏

今回の受賞では、主翼上面エンジン配置形態などの革新的な技術の採用により、クラス最高水準の巡航速度、燃費、客室・荷室の広さを実現したHondaJetの研究・開発に貢献し、航空業界における新たな設計コンセプトを実現したことが評価されている。

HondaJetは、エンジンを主翼上面の最適位置に配置する、新規開発のOTWEM(Over-the-Wing-Engine-Mount)という革新的なレイアウトを採用したほか、乱流発生を抑える形状「自然層流」を翼や機首デザインに取り入れ、空気抵抗を大幅に低減させる先進的空力設計を取り入れた小型ビジネスジェット機。2014年6月に量産1号機の初飛行に成功し、2015年1月~3月に予定されているFAAの型式証明の取得後にデリバリー開始を目指している。

HondaJet量産1号機の初飛行の様子