恋人間、夫婦間にも起こりうる精神的な暴力「モラル・ハラスメント」。専門家の解説によると「自分が絶対的に正しいという意識が、パートナーの行動のささいな失敗を許せず、批判や非難につながり相手を傷つける」とされている。恋人・配偶者からモラル・ハラスメントを受けたことがあるというマイナビニュース会員100人にその内容を聞いてみた。
Q.恋人・配偶者からどんなモラハラを受けましたか? どのような気持ちになりましたか? どうしましたか?
■繰り返し否定
・「何をやってもダメと毎日叱られる。気が滅入ってしまった」(25歳男性/独身/新潟県/農林・水産/技術職)
・「人格を否定される言動を繰り返し受けた。自分が情けなくなって鬱になりかかった」(32歳男性/独身/埼玉県/機械・精密機器/技術職)
・「ささいなミスで頻繁に怒鳴られた等。強いストレスを感じた」(23歳女性/既婚/東京都/その他/事務系専門職)
・「いつも『正社員になれ』『もっと稼いでこい』と言われ続けた。朝になると吐き気・腹痛をもよおすようになった」(35歳男性/独身/埼玉県/運輸・倉庫/その他)
・「君はそんな性格だからだめだ、と人格を否定された。何回も言われるとそうなんだな、とどんどん落ち込むが、友達が目を覚まさせてくれた」(24歳女性/独身/愛知県/電機/事務系専門職)
・「毎日死ねと言われた。腹が立ったし、軽蔑した」(30歳女性/既婚/群馬県/機械・精密機器/事務系専門職)
・「スーパーでレジのよくみるおじさんにあいさつしたら浮気してると言われ責められ続けた。理解できず、必死で別れました(別れるの大変でした)」(30歳女性/既婚/長野県/通信/事務系専門職)
■生い立ち・学歴を否定
・「出身地に対する言及。人間として尊敬できなくなった」(30歳男性/既婚/東京都/食品・飲料/技術職)
・「ちょっとだけ付き合ったことのある女性から、両親が離婚していて、祖父母に育てられたことを家庭環境が悪いと言われたことがある。そんな風に見る人がいるんだなと思い、すぐに別れた」(43歳男性/独身/東京都/情報・IT/技術職)
・「学歴で差別された。悲しく感じた」(27歳女性/独身/奈良県/小売店/営業職)
・「学歴批判。嫉妬しているんかとだけ思った」(39歳男性/独身/埼玉県/人材派遣・人材紹介/営業職)
■仕事を否定
・「仕事をばかにされた。悲しくなった」(31歳女性/既婚/神奈川県/アパレル・繊維/事務系専門職)
・「私の仕事について、大したことのない仕事だから、と何度も言われた。イラッときたし、悲しくなった」(31歳女性/独身/東京都/食品・飲料/事務系専門職)
・「人の金で食ってるくせにと言われたりとか何でも人のせいにしたり。俺が家のこと全部完璧にやってやるから、お前が働けとか。おまえなんかいらねーよとかもっといろいろいわれた。かわいそうな人だと思った。弱い犬用ほどよくほえると思った。はいはい、またそれですか、言ってればと思った」(41歳女性/既婚/千葉県/その他)
・「仕事について『向いていない』などから始まり人格の否定をされました。惨めで自分が情けない気持ちになりました。また、相手を選んだ自分を不甲斐ないと思いました。おかげで現在も人間不信です」(25歳女性/独身/東京都/小売店/販売職・サービス系)
■外見を否定
・「外見上の気にしている部分を指摘された。傷ついた。気にしていないフリをした」(36歳女性/独身/東京都/商社・卸/事務系専門職)
・「ずっとハゲって言われてた。全然意味不明やった」(26歳男性/既婚/東京都/情報・IT/技術職)
・「体型のことをバカにされ続ける。別れたいと思った」(27歳女性/独身/大分県/情報・IT/営業職)
■見下す
・「『こんなことも知らないのか』と呆れた顔と声でバカにされた。プライドが傷ついた」(28歳女性/独身/奈良県/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「大学時代に少しだけ付き合ってた彼氏がモラハラ気味だった。向こうは高学歴で超大手に就職が決まっていて、同じく就活中だった私が受けていた企業を高望みとバカにしたり、面接で失敗した話をした時も、慰めてほしかったのに、それを俺に言ってどうなるわけ? と言われた。もうこの人とは無理だと思った。その後別れたけど、本当に正解だったと思う」(30歳女性/既婚/東京都/金融・証券/秘書・アシスタント職)
・「私=常にバカと思っている人だったので、TOEICで高得点を取ったときに、不機嫌になった。私が好きなんじゃなくて、見下せる相手が好きなんだなと思ったので別れました。原因はそれだけではないですが」(30歳女性/独身/東京都/機械・精密機器/技術職)
■暴言・罵倒・無視
・「暴言を吐かれました。悲しい気持ちになって泣きました」(23歳女性/既婚/富山県/警備・メンテナンス/販売職・サービス系)
・「『生きている価値がない』『何をやってもダメなヤツだ!』だといつも罵倒されます。落ち込みました」(41歳男性/独身/東京都/警備・メンテナンス/警備員)
・「人の見ていないところでの言葉の暴力や、機嫌が悪くなったりしたら、全て私のせいにされて、延々と愚痴や嫌味、恫喝、寝させてくれなかった。悲しくて、自信もなくなって、生きているのが嫌になった。精神がボロボロになる前に、何とか両親や友達に助けてもらって、離婚できた」(32歳男性/独身/京都府/機械・精密機器/技術職)
・「けんかした時に1週間以上口をきいてくれなかった。1人ぼっちになった気分だった」(37歳男性/既婚/愛知県/通信/技術職)
・「外向きは優しいが、家に帰るとすぐののしられる。気分が落ち込んだ 別れることを決意した」(27歳男性/独身/滋賀県/金融・証券/専門職)
・「ケンカをしたときに怒鳴られたことです。怖くなりその人とはすぐに別れました」(26歳女性/既婚/大阪府/金融・証券/秘書・アシスタント職)
・「怒鳴られる、無視される、すべて私のせいにされる。不快。別れました」(34歳女性/独身/埼玉県/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)
・「はげしいののしり、罵倒。かなしくなり、別れた」(25歳男性/独身/宮城県/マスコミ・広告/営業職)
・「罵倒される。泣きたくなる」(33歳男性/既婚/東京都/金融・証券/事務系専門職)
・「常に人権を侵害する発言。地獄に落としてやりたい」(22歳女性/独身/埼玉県/学生/学生)
■人前でばかにする
・「私の失敗を周囲に吹聴して笑う。人前で私をバカにする。かなり嫌な気分になった。結局別れた」(31歳女性/独身/千葉県/不動産/事務系専門職)
・「みんなの前で悪口。切ない」(27歳男性/独身/千葉県/医療・福祉/事務系専門職)
・「学歴に関して知り合いの前などでバカにされた。ちっぽけな人だと思ってさめた」(26歳女性/独身/東京都/情報・IT/秘書・アシスタント職)
■行動をコントロール
・「お前お金ないんだから無駄なもの買うな。きちんと貯金もしているのに、残ったお金も自由に使わせてもらえない理由がわからない。本当に嫌な気持ちになります」(25歳女性/独身/岡山県/医療機器/営業職)
・「相手以外の交友関係者を全否定。そうなのかな? と思って受け入れていたが、ある時友人から指摘を受けて目覚めた」(25歳女性/独身/東京都/小売店/事務系専門職)
・「昔の夫の両親の価値観を押し付けられた。最悪。耐えられなかった」(31歳女性/既婚/京都府/金融・証券/営業職)
・「結婚をせかされる。もう少し待って。。。」(29歳男性/既婚/徳島県/機械・精密機器/技術職)
・「常に自分が間違っていない、正しいという考えを押し付ける恋人でした。すごく腹立たしくなり、すぐに別れました」(28歳女性/独身/東京都/建設・土木/事務系専門職)
■「女は……」
・「女だからといって仕事を辞めさせられそうになった。別れた」(24歳女性/独身/東京都/マスコミ・広告/クリエイティブ職)
・「女はおとなしく言うこときいてろと言われた。むなしくなった」(31歳女性/既婚/埼玉県/金融・証券/営業職)
・「結婚し、出産後になんだか威圧的になった。産休中だけど、正直辞めざるを得なくなるかもしれなくて、そんな中、離婚したらお前生きていけないな、とかお前頼る場所無いよな、とか言ってくる。一番嫌なのは、彼の方が学歴が低いのでそれがコンプレックスなのか女に学は要らないとか。とにかく悲しくなった。こんな人を選んでしまったのか、とか、親に言いにくいだとか、何よりこの人かわいそうな人だな、とか」(29歳女性/既婚/神奈川県/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
■その他
・「付き合った経験が他になかったので、何でも自分が間違ってるような事を言われた時。反論もできないしで、嫌な気持ちになった」(31歳女性/独身/神奈川県/学校・教育関連/技術職)
・「寝起きが異常に(おそらくわざと)悪く、極端な悪態をつく。私が夫を起こして、『ありがとう、もう起きるよ』と反応があったので放置しても、自分が二度寝したら『起こされた記憶はない。俺が覚えてないんだから起こしてないのと同じ。なぜ起こさないんだ』と責める。声かけだけでは起きないので軽く肩を叩くと、大げさに痛がって怒鳴って睨みつけて、私を無視して数日過ごす。そもそもいい大人が自分のアラームで起きられないなんて異常だと思うし、こんなくだらないことがストレスになると思っていなかった。今は、育児にしか思いは向かない。夫に愛情は当然ない。稼ぎと生活の割が合わなくなったら終わる予定」(32歳女性/既婚/大阪府/小売店/販売職・サービス系)
「何をやってもダメと毎日叱られる」「自信もなくなって、生きているのが嫌になった」――恋人や配偶者に傷つけられたつらい経験が語られた今回のアンケート。
前述した専門家の解説によれば、モラル・ハラスメントの加害者も被害者も、一般的にはその自覚がないという。「あれはモラル・ハラスメントだったのでは」と気づくのは、その関係を抜け出した後になることが多そうだ。
アンケートの「友達が目を覚まさせてくれた」「何とか両親や友達に助けてもらって、離婚できた」という声にもあるように、周囲の友人や家族の助けが必要になることもある。恋人や配偶者との関係が少しでも変だなと思ったら、誰かに相談してみてほしい。
調査時期: 2014年8月26日~28日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: マイナビニュース会員100名(恋人・配偶者からモラル・ハラスメントを受けたことがある人/男性49名、女性51名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません