――ちゃもーいさんと組んだことで、曲作りに変化は？

今のところは、私が書いた曲をちゃもーいが聴いて、世界観や歌詞に合った絵を描くという流れなのもあって、特に変わったところはないです。それに、お互いの質みたいなものは変えずに、自我を出しまくって作ろうと決めていて。1＋1を無限のものにしていこうって話してるんです。ただ、これからは私がちゃもーいのイラストに刺激を受けて曲を書くことも出てくると思いますね。実際、ちゃもーいに「どういう世界を描きたい？」と訊いて、ちゃもーいの答えからイメージを膨らませて書いてみたりもするんですよ。ちゃもーい自身からインスピレーションを受けて曲を書くことは、けっこうありますね。

――それは中学時代の日記を書くような曲作りとは、またちょっと違う感じなのでしょうね。

ああ…そうですね。デビュー前は、それはもう自己中心的な感じでしたけど、デビューしてからは応援してくれるみんなと共有できるものを書きたいと思うようになりました。ファンのみなさんと会ったり、手紙をいただいたりする中で、みんなにもいろいろな日常があるんだなぁと思うようになって。曲を聴いてくれる人がいるというのは、やっぱり大きいですね。

――そんな変化も感じている中で、ファースト・アルバム『迷宮センチメンタル』が完成しました。月並みですが、今のお気持ちは？

素直にうれしいです。デビューしてからずっと、声優のタカオユキと、みみめめMIMIのボーカル、ユカという2人の人間として歩んできたわけですけど、6月のライブとこのアルバムで、ようやく2人がひとつになれた感じがしていて。私はここからが本当の第1章なんだな、という感覚がすごくあるんです。声優とみみめめでデビューして以降も悔しいことはありましたし、たくさんもがいてきたんですね。そうやってもがきながら、今の自分たちにふさわしいアルバムができたなぁと。『迷宮センチメンタル』というタイトルも、迷ったりもがいたりしながらも、まだまだ変わっていきたい、夢を叶えていきたいと願う私たちを表す言葉なんです。

――クラムボンのミトさんや湯浅篤さんといったアレンジャー陣との制作はいかがでしたか？

めちゃくちゃ刺激を受けました! ミトさん、レコーディングの時に「ボイス・パーカッションを入れよう」ってレクチャーしてくれたんですけど、自分の声でこんなふうに曲を生かすこともできるんだ！という発見があったり。湯浅さんにはデビューからお世話になっていて、いつも魔法をかけてもらうような感覚になるんです。「サヨナラ嘘ツキ」をプロデュースしてくれたUNISON SQUARE GARDENの田淵さんにも、すごく刺激を受けましたね。

アートワークはちゃもーいが手掛けている

――先のライブも決まり始めているようですが、みみめめMIMIとしての今後の目標や夢は？

やっぱりまずはライブですね。先日の初ライブをきっかけに、やっとこうやってみなさんに生身で曲を届けることができるようになったので、ライブはすごく大事にしてます。もっと先のことでいうと、みみめめMIMIとして唯一の存在になりたいという思いがあるんですね。私とちゃもーい、2人いるからできること……曲があって、イラストがあって、ライブもやって、このアルバムの初回盤にはノベルも付くし、最近はファッションともコラボさせていただいたりもしていて、私は声優もやってます。みみめめMIMIがひとつのiPhoneだとしたら、そこにはたくさんのアプリが並んでる、みたいな。みんながワクワクドキドキするような楽しい存在を目指して、プロジェクトを大きくしていきたいですね。

――ちゃもーいさんとも、そんな話を？

すごく話します。ちゃもーい、時々突拍子のないことを言うんですよ。「オリンピックに出よう!」とか（笑）。でもほんと、"私たちだからこそ"という唯一のものを目指そうという話はしてますね。あそこでしか牛丼を食べられない！みたいな（笑）。

――なるほど。でもなぜ、たとえが牛丼!?

あははは（笑）。うーん、なんていうか、お店によって味付けやこだわりに違いがあるよね、というのじゃないんですよね。「これはみみめめじゃないと絶対に味わえないよね」というふうになりたいなって。私の音楽とちゃもーいのイラストで、"視聴覚ユニット"としての楽しさ、面白さを無限に発揮していきたいと思ってます。