日本貿易振興機構(以下、ジェトロ)は7日、「2014年版世界貿易投資報告」を発表した。それによると、2013年の日本の対外直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)は前年比10.4%増の1,350億4,900万ドルと、3年連続で増加し、2008年以来5年ぶりに過去最高を更新した。

国・地域別に見ると、米国向けが前年比36.7%増の437億ドルで最大。東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは同2.2倍の236億ドルと過去最高を記録した一方、中国向けは同32.5%減の91億ドルに落ち込んだ。

日本の対外直接投資 中国・ASEAN比較(出典:日本貿易振興機構Webサイト)

世界の対内直接投資額は前年比9.1%増の1兆4,520億ドル。先進国の景気回復を背景に2年ぶりに増加に転じたものの、リーマン・ショック前の2007年と比べると依然7割程度の水準となっている。

2013年の世界貿易額(ジェトロ推計、商品貿易、名目輸出ベース)は前年比1.6%増の18兆2,826億ドルと、2年ぶりに過去最高を更新した。中国やEU・米国などの先進国が牽引した。

商品別に見ると、集積回路が前年比14.8%増の5,044億ドル、通信機器が同11.7%増の4,874億ドルなどと伸びた一方、原油が同11.3%減の1兆2,941億ドルなどと資源が減少した。

国別の輸出額は、中国が前年比7.8%増の2兆2,107億ドルでトップ。以下、米国が同2.2%増の1兆5,796億ドル、ドイツが同3.3%増の1兆4,530億ドルと続いた。

日本は前年比10.3%減の7,192億ドルで4位。輸入額は同5.6%減の8,389億ドルで、貿易収支は1,197億ドルの赤字となった。赤字は3年連続。