マイナビニュースさんで連載をいただいて今回が早くも9回目の記事となるのですが、僕の過去の記事を一度でも読んだいただいている方は口をそろえて言うでしょう……すごくタメにならない記事ばかりだなと。最近この連載が打ち切りにされてしまう夢ばかり見る程に自負しておりますので、そろそろ人さまのためになるテクニックを書きたいと思います。

あ、ご挨拶が遅れました。数年前、こんな僕のことをイケメンと読んでくれる女の子がいたので『どんな瞬間がイケメンに見えるの?』と聞き、返ってきた答えが『逆行の時』だった逆行系イケメンの吉本ユータヌキです。

チャンジャのような安心感の"チャンジャニ∞"

自分の顔にコンプレックスを抱いていた思春期の真っただ中、すごくモテたい欲に溺れそうになり、自分はどうしたらモテるのかと自問自答を繰り返した結果、僕は決心をしました。コンプレックスだった顔面を拒むのではなく、"個性"として受け入れることに。まずは自分からMy faceを愛することで少しの自信を持ち、余裕ができた僕は"最強の良い人どまり"を目指すことにしました。僕ぐらいのカリスマになるとこれを"Hiraki naori"とも呼ぶんですけどね。

"最強の良い人どまり"とは言いましたが、実はそれぐらいの方が好かれたりするのです。爆発的にモテるということはないのですが、そこにいるだけで落ち着く絶対的な"安心感"があり、一度ハマってしまうと抜け出せないチャンジャのような魅力があるのです。

ゴマ油とも相性が良く、風味のある"チャンジャ男"……いや、"チャンジャニ∞"にはどうすればなれるんだい? とお思いでしょう(似ていますが"関ジャニ∞"とは一切関係のでご了承ください)。そこで今回は秘伝の爆ウマチャンジャのレシピをご紹介したいと思います。

ポイントは『人の顔を見る』だけ

"チャンジャニ∞"になるのはすごく簡単です。ポイントは『人の顔を見る』だけです。いやいや、顔を見るなんて常識だろ! 普段から心がけているわ! と思いの方がたくさんでしょう。話している人の顔、目を見るのは常識ですよね。けれど、今回僕が伝授したいのは"聞き手の顔を見る"ということです。

もちろん複数人での会話の場合となるのですが、僕は普段から話している人の顔だけを見るのではなく、話を聞いている人の顔も見るようにしています。それは聞き手がどんなことを思っているのかを表情で読むためです。

・すごく興味津々に食い入るように聞いている

・共感していなく、不服そうに聞いている

・ドリンクを頼みたいが話の腰を折らないようにタイミングを伺っている

・眠そうにしている

・飽きている

・頷いているが心ここにあらず

・そもそも聞いていない

・寝ている

と、いろんなパターンがあり、表情から読めた感情に合わせ展開を進めるのです。

みんなが興味津々にしている場合は同調した意見を発したり、誰かの意見を聞くように話を振ってあげたりして、みんなが会話に参加できるような空気作りをする。みんなが飽きた顔をして、話し手だけが熱くなっている場合は思い切って水を差します。

話がわからない人が出てきたり、飽きている人がいれば、みんながわかる楽しい話題に変換したり、声をかけてあげるようにしましょう。目がずっと空グラスとメニューを行き来して注文したそうな人がいればスッと呼び鈴を鳴らしてあげたりと、いわゆる気遣いをできるようになることですね。

複数人が集まるとついつい一部しかわからない話題が出てきてしまったり、気を遣って遠慮がちになってしまう人もいたりするのですが、その場にいる全員に楽しいと思えるような空気に向かって舵を取ることが大事です。あ、寝ている人がいれば耳にパセリぶっこんでやりましょう。

ふとした瞬間に見せた優しさが女の子の心に残る

当たり前のようなことなのですが、意外とこれができる人って少ないのです。飲み会でお酒が入ったりリラックスしていると自分自分となって話が止まらなくなる人がいたり、意見が偏ったりすると疎外感を抱く人が出てきてしまったりするのです。

なので、少し引いた目線で全ての人に気を配ってあげることで会場の空気も良くなりますし、話の邪魔をしないようにと空いたグラスを握りながら呼び鈴を押せない好きなあの子の変わりに注文してあげれば"チャンジャニ∞"になれたも同然。

自分の話ばかりする顔面ハイスペックよりも、顔はパッとしないけどふとした瞬間に見せられたさりげない優しさの方がうれしくて女の子の心には残ったりするものなのです。

メインではなく協調性がなくても確固たる存在感、噛めば噛む程味が出てくる、そして実績と信頼で積み重ねた圧倒的な安心感。その魅力にハマったら最後。これがこれから地味にモテること間違いなしの"チャンジャニ∞"のレシピでした。ユーなっちゃいなよ!

余談ではありますが、僕は高校3年の時にクラスの大勢でご飯と食べていて、好きな子が話に入れてなかったのに気づいて声をかけてみると、話に入りたかったけどうまく入れなくて疎外感を抱いていたらしく『引っ張り込んでくれてありがとう』と言われたことがありました。

そこから急速に仲良くなり、お互いに深い話ほどすごく良い関係になりました。しかし、後々聞いた話なのですが、実はその子に彼氏がいて僕は彼氏と別れた時の"保険"だったそうで、影で『アフラック』と呼ばれていたそうです。"良い人どまり"過ぎて僕みたいに保険男子にならないようにユーも気をつけてくださいね。

<著者プロフィール>
吉本ユータヌキ
唐揚げと長澤まさみをこよなく愛す1986年製のたぬき型人間。ブログ『さっきもUたやん』を中心に文章を書いたり、イラストを描いたり、背中を掻いたり。フリーカイターです。重度の虚言癖と盛り癖をわずらっていますので優しく見守ってあげてください。Twitterでは日常が垣間見え過ぎています→@gonnakill_uta