博多一風堂の定番であるトンコツ「そらとん」も提供路線を拡大

「約1年半をかけて独自に開発した」という博多一風堂のANA機内食ラーメン、トンコツ「そらとん」と醤油「ふるさと」が登場したのは2013年6月のこと。それらに続く第3のラーメンが9月より提供される。その名も"コク極まる味噌「大地」"。「上空でおいしく」を基準にして開発された味を実際に味わってみた。

上空で一番おいしい味に

海外店も展開している博多一風堂は、「ザガットニューヨーク」ヌードル部門で2011年に1位、2012年に2位を獲得した実績もあり、国内のみならず世界にも多くのファンがいるラーメン店。とはいえ、地上よりも味覚を感じにくくなる高度1万メートルの上空で一番おいしいと感じてもらうためのラーメン作りは、地上のそれとはまた別の工夫が必要になるそうだ。

博多一風堂とのコラボラーメンは国際線ファーストクラス、および欧米線ビジネスクラスの軽めの食事のひとつとして提供されており、多い時には1便で40食程度リクエストがあるという。トンコツ「そらとん」は現在、日本発北米路線(片道)と日本発着欧州路線(往復)で提供しているが、9月からは拡大して日本発着シンガポール・バンコク路線(往復)でも提供を開始する。醤油「ふるさと」は日本発北米路線(片道)と日本発着ジャカルタ路線(往復)で提供しているが、9月からは味噌「大地」に切り替わる。

ポイントは太め平麺にコクだしチーズ

9月からはトンコツ「そらとん」(奥)と新味"コク極まる味噌「大地」"(手前)が登場

トンコツ「そらとん」と醤油「ふるさと」との大きな違いはその麺にある。両者はともに極細麺にしたラーメンだったが、今回の「大地」はもちっとした太めの麺を使用している。また、具材はというと大豆からつくった"肉みそ"にキャベツ、ネギ、コーン、メンマと、野菜を中心とした食生活の人でも楽しめる一品に仕上げた。

上空で味わうことをコンセプトにしているため、地上で食べると全体的に味が濃い目という印象を受ける。しかし、「博多一風堂ファンも満足してもらえる味」(ANA)というように、濃厚スープに香油を加えることでスープの風味と甘味が増し、さらにまろやかな味わいとなっている。また、自分の好みでトッピングできる粉チーズもポイント。開発では、肉の代わりに大豆を使うことでどうコクを出すかに悩んだそうだが、そのコクを補う役割をチーズが果たしている。

コラボラーメンは日本人のみならず、海外の人からもリクエストがあるそうだ。上空でしか味わえない博多一風堂の新しい味"コク極まる味噌「大地」"、今度のフライトでぜひ体験していただきたい。

太めの平麺が特徴で、お好みでチーズをトッピングできる