バイエル薬品はこのほど、「EDのココが疑問!? EDを徹底解明! 」と題したセミナーをweb上にて開催した。ED(勃起不全)の専門医である岩佐クリニックの岩佐厚院長が、EDの症状や原因、治療法などをわかりやすく解説した。同セミナーで紹介された「成人男性の4人に1人が患者」との調査結果もあるEDにまつわる"正しい知識"をお伝えする。

webセミナー「EDのココが疑問!? EDを徹底解明! 」に出演した岩佐クリニックの岩佐厚院長

EDになる確率は年齢とほぼ同じ

そもそもEDとは、「勃起が十分でないために満足な性行為が行えない状態」を意味する。ただ、「興奮しても勃起しない」「勃起が長持ちしない」「勃起しても十分に硬くならない」など、その症状はさまざまだ。

加齢と共に患者数の割合は増加しており、岩佐院長は「50歳で50%などのように、年齢がそのままEDになるパーセンテージになると思っていただくとわかりやすいです」と説明した。過去には成人男性の4人に1人がEDであるとまとめた研究も発表されており、その患者数はかなりの数にのぼることがわかる。さらに岩佐院長は、EDを自覚している人は性生活における満足度が低いことも紹介した。

成人男性の25%がEDだという

EDの場合、性生活も満足度が低くなることがわかる

EDには身体的原因と精神的原因がある

岩佐院長は続いて、EDの原因は人それぞれだが、「身体的」「精神的」の2つに大別できると説明した。

身体的な原因としては「高血圧・高脂血症・糖尿病」「薬剤の副作用」などがある。海外の様々なデータから、高血糖・高血圧の人ほど勃起機能が低下していることが明らかになっている。これは陰茎の動脈が細いため、動脈硬化によって血管が細くなった影響が症状としてあらわれたもので、「EDは脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる動脈硬化の初期のサインのようなものかもしれない」とした。

精神的な原因としては「ストレス・不安」「うつ病」などがあり、特に最近は、10~30代に精神的な原因による「若年性ED」が多いとのこと。IT社会でバーチャルの環境に慣れすぎてしまい、生身の人間と事に及ぶとなると、緊張して勃起しないということも見受けられるそうだ。一度性行為に失敗してしまうと、「次も失敗してしまうのではないか」と不安になってしまい、その不安がEDにつながる可能性もあるという。

EDの原因は様々だ

EDと自覚していながら受診している人は約5%

成人男性の4人に1人もいるとされているED。それにも関わらず、「日常生活に影響がない」「恥ずかしい」などの理由から、実際に医療機関を受診した人は約5%にとどまるというデータもある。岩佐院長は「EDは特別なことではなく、ごくありふれた身近な問題だということを認識してほしいです」と話した。

多くの女性はパートナーからEDであることを告げてほしいと考えていることがわかる

悩んだらパートナーと診療機関へ

また岩佐院長は、ネット上で販売されているED治療薬には偽造品が多いということに警鐘を鳴らした。バイエル薬品を含めた4つのED治療薬販売会社が合同で行った調査では、インターネット購入(個人輸入)における偽造ED治療薬の割合は55.4%と、半数以上にものぼったことが明らかになっている。

さらに、ネット購入者の約9割が「自分が購入した製品は本物」と楽観視していることも判明したが、岩佐院長は一見しただけでは真正品と偽造品を見分けるのは難しいと指摘。医療機関を受診して、ED治療薬を処方してもらうことの必要性を説いた。

偽造品と真正品の区別は難しいという

そして最後に、岩佐院長はもし「EDかな? 」と思ったら、まずはEDの相談ができる医療機関がまとめられているサイトなどを利用して、医師に診断してもらうことが望ましいと話した。さらにその際は、可能であればパートナーと一緒に受診し、一人で悩まないことが大切だとまとめた。