7月19日に公開されるスタジオジブリ最新作のアニメーション映画『思い出のマーニー』の完成披露舞台あいさつが2日、東京国際フォーラムで行われ、声優を務める高月彩良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、黒木瞳に加え、米林宏昌監督、主題歌を務めたプリシラ・アーンが浴衣姿で登壇した。

左から寺島進、根岸季衣、松嶋菜々子、高月彩良、米林宏昌監督、有村架純、黒木瞳、森山良子、プリシラ・アーン

『思い出のマーニー』は、英作家のジョーン・G・ロビンソンが1960年代に発表した児童文学が原作で、米林監督にとってデビュー作『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)以来、4年ぶりに手がけるアニメーション映画。脚本は『借りぐらしのアリエッティ』を担当した丹羽圭子氏、『もののけ姫』(1997年)で作画監督を務めた安藤雅司氏、米林氏の連名で、音楽はピアニストで作曲家の村松崇継氏が務めている。本作では舞台を日本に移し、主人公・杏奈(高月彩良)とマーニー(有村架純)の交流とともに、不思議な出来事に次々と遭遇する物語が描かれる。

杏奈役を務める高月は「自分の気持ちを素直に言えない不器用な女の子ですが、マーニーとの出会いでたくさんの人に愛されていることに気づき、成長していきます。私自身もアフレコ初挑戦で戸惑っていましたが、スタッフさんに支えられ、杏奈と共に成長することができました」とスタッフへの感謝を伝えながら「この作品を大事に、一生の誇りにして生きていきたい」と感無量の表情を浮かべた。もう1人のヒロイン・マーニー役の有村も声優初挑戦であり、オーディションに受かった日からこの日を迎えたことを楽しみにする一方、実感がわかなかったことも告白。「ジブリ作品に参加できていることが夢みたいで、ここに立てることを本当にうれしく思います。杏奈が高月さんでよかった。ありがとう…」と感極まり涙する一幕も。また「私の宝物になる作品です」と胸を張った。

杏奈の養母・頼子役の松嶋は「作品では、母親役で杏奈を見守っていますが、子育てする大変さなども自分に重ね合わせ、そのままの自分を出すことができました」と手応えを感じている様子。頼子の親戚・大岩セツ役の根岸は「ご飯をキッチリ食べることをポリシーにしていますが、セツさんには負けました。プチトマトを落としそうになり、拾いながらもしゃべり続ける彼女に注目してください」と見どころを紹介した。

老婦人役の森山は「役をもらった当初、役名が『老婆』だけでしたが、何度かやりとりする中で『老婦人』に昇格させていただきました」、久子役の黒木は「この作品にはいろいろな秘密が用意されていて、杏奈の髪留めにも意味があったことに驚きました。あと、食べるものが本当においしそう!」と、それぞれに現場や作品を振り返った。米林監督は「色々な人の力を借りてこの映画を作りました。この作品を見て、すべてを知った上で、もう一度見ていただけると、また、違った角度で楽しめると思います」と作品の魅力を伝えた。

『思い出のマーニー』は、7月19日より全国の劇場で公開。

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