内閣府男女共同参画局長 佐村知子氏

日経BP社は5月23日、2014年の「女性が活躍する会社ベスト100」贈賞式を開催した。同賞は、「企業の女性活用度調査」を元に選考、化粧品メーカーの資生堂が1位を受賞した。贈賞式には内閣府 男女共同参画局長 佐村知子氏らが来賓として参加。政府の女性活躍促進政策についてスピーチを行った。

安倍内閣は、「3本の矢」と呼ばれる基本方針の1つ「成長戦略」の中核として「女性の活躍」をあげている。具体的には、「女性役員・管理職の増加」「待機児童の解消」「役職復帰・再就職支援」などだ。日本政府は2003年に「2020年までに女性の管理職・役員比率を30%にする(202030)」という目標を設定したが、同値について佐村氏はスピーチの冒頭で、「今なお"野心的"な目標」と述べた。

世界のスピードに追いつけるか

世界経済フォーラムが発表した2013年の女性活用度指数指数で、日本は136カ国中105位。順位は年々低下しており、先進国では最低レベルとなる。同贈賞式に出席した昭和女子大学学長(初代男女共同参画局長) 坂東眞理子氏は、「(順位が下がっているのは)他国との取り組みスピードの差」と分析する。

佐村氏は、日本の女性の活躍促進活動について、「トップ(総理)がいろいろな場所でメッセージを発しており、女性の活躍促進がとても大事だと語っている」「それを成長戦略という、経済界の人に届くようなテキストで語っていることは大変有り難い」と述べた。

実際に安倍総理は、経済界との意見交換会で「(「202030」達成に向けて)全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役員に、一人は女性を登用していただきたい」と要請。また国連総会、施政方針演説、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)などでも、女性活躍促進について言及している。

佐村氏「日本の女性活躍の必要性はここ数年言われていたが、日本が何をしているかなかなか見えないと言われてきた。この頃は"見える"と言われている」。

一方で女性促進政策の現状について、「女性の活躍促進自体は"企業の経営戦略"として取り組むべきものだが、なかなかそうも行かない」と説明。現在は、政府が企業の背中を押す政策への実施や、男女とも仕事や家庭を両立できる環境の整備を進めているところだという。

更に世界における日本の女性活用について「取り組みは進んでいるが、女性活用度指数はなかなか上がらず、世界のスピードに日本はなかなか追いついていけない。相変わらず四苦八苦しながら努力している」と語った。

企業側の取り組みも求められている

同氏は日本の企業に「女性社員の育成に向けて、企業が目標を決めて、それを公表する」「企業の働きやすさやいろいろな指標に関して、公表して全体に見えるようにする」「そういった動きを加速させ、その輪を業界の中でも広げていく」の3点に取り組んでほしいと発言。

そして、贈賞式に出席している企業の関係者に対し「今日お越しの皆様方もご自身が取り組まれると同時に、その輪を広げていただき、お力をお貸しいただきたい」と呼びかけた。