「中堅企業研究会」が13日、発足した。同研究会は、慶応大学大学院経営管理研究科の磯辺剛彦教授を中心に、産官学それぞれの立場で中堅企業に携わり、専門的知識を有する5人で構成。日本の中堅企業およびそれらの企業が直面する課題を調査分析して解決策を示したり、経営者への情報提供を行ったりすることを目的としている。

研究会メンバー(五十音順)

同研究会が扱う中堅企業の定義は、年商10億から1,000億円の日本企業。同研究会によると、これらの中堅企業は、バリューチェーンでトップシェアを持つ企業が多く、イノベーションの担い手になるケースが多々観察されるという。

顧客対応においては現場主義でソリューション能力が高く、社内の階層距離が短いため、日本企業が得意とする組織力で戦いやすいという特徴がある。だが、経済と産業界の土台を支える存在であるにもかかわらず、中堅企業の重要性に対する認識や政策支援は、大企業や零細企業へのそれに比べ、十分とはいい難い状況という。

このような認識の下、同研究会では、中堅企業とそれら企業を取り巻く問題や機会について議論し、提言などを通じてその存在と役割の重要性を広く社会に知らしめるほか、中堅企業経営者に市場調査など各種情報を提供していく予定。これらの活動を通じて、中堅企業全体の底上げを図るとともに、それら企業の競争力向上を支援し、日本全体のさらなる発展への寄与を目指すとしている。