JR四国グループの2014年3月期決算がこのほど公表された。連結ベースの営業損失は前年度から16億円増加して105億円となったが、株式市場の回復による経営安定化基金の運用益増加などを受けて営業外損益が大幅に増益となったため、経常利益・当期純利益ともに黒字となったという。

写真は特急「しおかぜ」

運輸業では、ICカード乗車券の導入や瀬戸大橋線開業25周年イベントの開催、「しまんトロッコ」「鉄道ホビートレイン」の導入などの施策が奏功し、鉄道・バスともに旅客運輸収入は増収となった。しかし、鉄道付帯収入の減少と原油価格高騰による動力費の増加により営業損益は悪化し、前年度より8億円多い105億円のマイナスとなった。

物品販売業は全体的に売上げが減少し、店舗のリニューアルにともなう経費が増加したことから減収減益に。建設業はグループ外からの工事が増加したが、売上原価が増加したために増収減益。ホテル業については、JRホテルクレメント高松の売上げが好調に推移したほか、瀬戸内国際芸術祭効果などにより増収増益となった。不動産業は増収減益、その他事業は増収増益だったという。

これらの結果、連結ベースの営業収益は前年度比12億円増の488億円、営業費用は594億円(前年度比28億円増)で、営業損失は前年度から16億円増加して105億円となった。一方で、株式市場の回復による経営安定化基金の運用益増加などを受けて営業外損益は大幅に増益となったため、経常利益は前年度比13億円増の46億円となり、3期連続で経常黒字・増益となった。当期純利益も前年度より98億円改善して79億円となり、2期ぶりの黒字決算・増益となった。

2015年3月期の連結業績については、営業収益467億円、経常利益9億円、当期純利益21億円との予想を発表している。