封筒の表面に、「親展」と書かれた郵便物を受け取ったことはありますか?この「親展」は外脇付と呼ばれるもので、その手紙に対して何らかの注意を促したい時に、書かれる言葉です。では「親展」が注意を促したいこととは、一体なんでしょうか?

■「親展」ってどういう意味?

親展という文字が促したいこととは、「宛名に書かれている人本人が、自分で封を切って手紙を読んでね」ということです。そのため「親展」と書かれている封筒が送られてきた場合は、裏側を見てみると、封がされている部分に、封が切られたことがわかりやすいよう、「緘(かん)」という封字の印が押されていたり、封をあけたことがわかる跡が残るシール等が貼られていたりします。

■「親展」はどこに書けばいい?

封筒に「親展」と書く場合は、宛名の左下に書くのがよいとされています。宛名のすぐそばには脇付(御中)という文字が入るため、親展はそのさらに外側の左下に書きます(外脇付)。そのため封筒の左隅に書かれることが多くなります。横書きの場合も同様、左隅に「親展」と書きます。

■封字、いろいろ

「親展」と書かれた封筒は、他の誰かが誤って封を開けてもわかりやすいよう、封字というもので封がとじられています。封字は、開けたことが一目でわかりやすい、「緘(かん)」という難しい漢字が使われていることもあれば、「〆」や「締」という文字の略字が使われていることもあります。封字には「緘(かん)」、「〆」、「締」以外にも、封、寿、賀、蕾などの文字があり、手紙の内容や種類によって使い分けられています。

■外脇付には、他にどんなものがある?

手紙に対して何らかの注意を促したい時につかう「外脇付」には、親展以外にも「至急」や「○○在中」等があります。「至急」は文字通り、急用の意味をあらわす外脇付で、「○○在中」も言葉通り、中に○○が入っていますという意味をあらわす言葉です。書く位置も親展と同じです。

メールやSNSでのやり取りが増え、「手紙」というツールが縁遠くなっているという人も、もしかしたら多いかもしれません。手紙の書き方がわかってくると、人に手紙を書くのがどんどん楽しくなってきます。ぜひ仕事だけでなくプライベートでも正しい手紙の書き方、出し方を覚えて、誰かに手紙を送ってみてくださいね。