全国グランプリで8位に選ばれた代表的バーガー「阿波牛とすだち塩ダレのとくしまバーガー600円(Rich burger factory空港店)

数々のご当地グルメの中でも最近、「とくしまバーガー」が話題になっている。「とくしまバーガー」を名乗るにはキチンとした約束事を守らなくてはいけない。そのため、本当に自慢できるものだけを厳選しており、それゆえに知る人ぞ知る絶品グルメとなっているのだ。

その「とくしまバーガー」が誕生したきっかけについて、とくしまバーガー協同組合代表理事の井上稔さんは「ご当地グルメで『まちおこし』をしようと、徳島商工会青年部が中心になって考案しました」と説明する。具体的には、認定審査会を設置し、5カ条をクリアしなければ名乗ることはできないようにした。

「徳島の食材をふんだんに」など5カ条を設定

B級グルメに代表されるように、地域の活性化のため"食"に取り組む地域は多い。「とくしまバーガー」の場合は他地域のグルメと差別化を図るため、阿波牛などのブランド牛・ブランド豚や地元で栽培された新鮮な野菜を使用し、徳島でしか食べることのできない独自の味を追求したという。

そこで、認定審査会を設置。審査会が決めた5カ条をクリアしなければ、「とくしまバーガー」を名乗ることができないようになっている。「その代わり、認定されたものに対しては、『認定書』と認定店舗用『のぼり』が揚げてもらっています。また、お店でオリジナルキャラクターの統一包装紙も使用しています」と井上さんは説明する。

ちなみに、5カ条は「おいしい」「徳島の食材をふんだんに」「調理に工夫を」「販売価格を妥当に設定」「食べやすさと見た目をバランスよく」というもの。また応募資格は、徳島に店を持っていて保健所の飲食店営業許可を所有し、認定の対象となる手作りハンバーガーの製造を行うことができることである。

認定バーガーは50種類にも

徳島には「阿波牛」や「阿波ポーク」、「阿波尾鶏」、「鳴門鯛」、「なると金時」、「すだち」、「ゆず」、「阿波和三盆」など、豊富な種類の食材がある。「それらのいずれかは必ず使い、地産地消だけでなく店舗ごとによる様々なバリエーションの創作バーガーを目指しました」(井上さん)。

「すだち牛と阿波ポークのETバーガー」735円(IL ROSA クレメント店)

例えば、「IL ROSA クレメント店」の「すだち牛と阿波ポークのETバーガー」は、すだち果汁を飼料に混ぜて育てた「すだち牛」と阿波ポークの合いびき肉を使ったハンバーグに、吉野産レタスの他、徳島産の野菜や新鮮な卵をはさんだぜいたくな一品。

「小松菜とすだち鶏のハンバーガー」は、店での提供640円、テイクアウト550円(Green Palette)

「Green Palette」の自信作は、自家菜園の小松菜を練り込んだバンズに、すだちと大毛島にんにくで作ったマヨネーズ、地元のレンコンを使って作った、身体にやさしい「小松菜とすだち鶏のハンバーガー」だ。また、「HATS espressivo」の「乱舞の泡」は、和風だし汁で煮込んだ阿波ポークと新鮮野菜、すだちの味噌、鳴門金時チップスが見事に融合している。

「乱舞の渦」(HATS espressivo)600円

●information
HATS espressivo
徳島市東新町1丁目16-5

これらの「とくしまバーガー」が最初に誕生したのは、今から7年前。「第1回の認定審査会をコンテスト形式で、ボードウォークで開催しました。現在、組合加盟店は18店舗で50種類程の認定バーガーがあります」(井上さん)。その後、口コミなどを通じて、そのおいしさが広く知れ渡るようになった。

全国大会で8位を受賞!

さらに、全国に多種多様にあるご当地バーガーが集まり、全国のご当地バーガーのTOPを決める「とっとりバーガーフェスタvol.3~全国ご当地バーガーグランプリ~」が2011年秋に開催された際には、「とくしまバーガーグランプリ」のチャンピオンバーガーの「阿波牛とすだち塩ダレのとくしまバーガー」(600円)も参加した。

これは、特製すだち塩だれに絡ませて焼き上げた阿波牛と、阿波牛100%のハンバーグ、徳島産のトマト、レタスを、ほうれん草入りのバンズで包んだ一品で、代表理事である井上さんのお店「Rich burger factory(空港店)」で販売。グランプリ大会では8位入賞の快挙を遂げた。

「とくしまバーガー」を販売している店は徳島市に限らず、県下の全域にある。これから温かくなって旅行にも最適なシーズンになるが、徳島の美しい景観を楽しみながら、それらを巡ってみてはいかが?

※記事中の情報・価格は2014年3月取材時のもの