いまアジアで猫カフェが増えているらしい。中でも台湾には猫が1~2匹どころではなく、16匹もいる"猫御殿"のような店まであるのだとか。台北の中心街・台北駅(台北車站)から3つ目の古亭駅から徒歩10分のところにある「極簡 cafe」に、猫フェチ記者が潜入してみた。

猫の無邪気な姿に癒やされる「極簡 cafe」の日常風景

人よりも猫が多いカフェ

まず、店内は客よりも猫の方が多い! 床、テーブル、カウンターなど、あらゆるところに猫がおり、今まで見たことのない光景に自然とテンションがあがる。

あら、席にも座っちゃってます!

客と当たり前のように共存している猫たち。猫同士でケンカをしたり、騒いだりする様子もなく、おいしそうな料理のにおいがしても落ち着いている。猫とは思えないマナーの良さである。

この店の猫の数は16匹! 黒、三毛、グレーなどいろんな猫たちが、床やソファ、テーブルの上、カウンターなどに放し飼いにされている。客が入ってきても猫たちは落ち着いていて、触ろうとすると走り去ったりはするものの、猫特有の「怒りのシャー!」の洗礼を受けたり、ひっかかれたりというのはなく、猫同士もケンカすらしないようだ。

筆者もふだん、猫を飼っているのだが、猫の本能は犬のように"しつけ"でコントロールできる類いのものではない。それなのに、同店の猫たちはなぜかみんないい子ばかり。まるで人間のように行儀がよく、テーブルの料理をつまみ食いしたりもしない。バタバタと激しく店内を走りまわったりもしない(たぶんネズミは捕まえられないだろうな……)。

猫の声が聞こえてきそうな個性っぷり

しばらく観察していると猫たちのいろんな表情が! じ――! 奥の水槽の熱帯魚を観察しているのかと思いきや、スタッフの調理シーンを凝視していた猫。「器用じゃのう~」と感心しているような表情。

猫の目線の先にはキッチンが

ちょっと! 猫なのに立っちゃっている!? ティーカップ置き場が一番温かくて気持ちいいことを心得ている猫ちゃん。長時間、前かがみでもたれかかっていた……。

くつろぎすぎです!

カウンターは広いのに、同じ位置がお気に入りの猫くんたち。「どけよ~! ここ、俺の場所なんだから」「しーらね!」といった表情の2匹。

両者、ベスポジを譲らず

カウンター中央からいつも店内を見渡している猫。「は~い! 次は2番テーブルにカプチーノを運ぶからテーブルの上、片付けな!」と言っているような現場監督風の猫。

「今日も疲れちゃったな」と小言も聞こえてきそう

テーブル席にぽつねんと。「今日はお客になりたい気分なの。いつになったらホットミルクが運ばれるのかしら……」。さみしい表情がけなげだ。

たまには客になりたいの……

猫が好きな魚押しのメニュー

猫好きのオーナーが店内にたくさんの猫の置物をディスプレー。もはやどれが本物の猫なのか、分からない感もあったり。入店しての5~10分、ほとんどの客は料理の注文よりも先に、猫を観察するために店内を歩き回って写真撮影をしていた。やはり、猫の撮影がお楽しみのひとつなのだろう。表情一つひとつに癒やされる。

ちなみにメニューブックまで猫デザイン。しかも、なぜかサーモンやツナを使ったサンドイッチなどが目立つ。これは「猫と同じようなものを食べてみましょうよ!」という猫カフェならではの姿勢なのか!?

猫には猫のオブジェがよく似合う!?

猫をデザインしたメニュー表には、日本語表記もある

店の人に一番おすすめとすすめられた「ツナのグラタン」。カプチーノがセットで280台湾ドル(約840円)。食べれば食べるほど、"猫マンマ"を食べたような気分になるのは筆者だけではないはずだ。

オススメの「ツナのグラタン」は280台湾ドル(約840円)

店内は猫の撮影マニアがたくさん。とびきりかわいいベストショットを撮って、Facebookにでも投稿するのだろう。SNS時代ならではのトレンドカフェなのかも。

猫のベストショットを狙う

日本では猫派よりも犬派が多いような気がするが、犬のように客が来店してもはしゃがないマイペースさが猫にはあり、一方で食事をしていると思わず足にすりよってきたりとその"ツンデレ"加減が絶妙で、人々はメロメロにさせられるようだ。日本にも猫カフェがもっとあってもいいような気がする。癒やされること間違いなしだから。

※記事中の情報・レートは2014年3月取材時のもの