東京都の産業労働局は3月27日、「平成25年度東京都男女雇用平等参画状況調査」の結果について発表した。

女性管理職を有する事業所の割合

同調査は、職場における男女平等の推進に関する実情と課題を把握するために、昭和56年より実施している。今年度は、男女雇用機会均等法、改正育児・介護休業法への対応のほか、女性管理職、ポジティブ・アクションに関することを調査した。

調査対象となったのは、事業所調査は都内全域(島しょ除く)の従業員規模30人以上の事業所(13業種)合計2,500社。従業員調査は、当該事業所に勤務する従業員男女各2,500人。調査期間は、平成25年9月2日~30日。

「女性管理職なし」の事業所は2割以上

まず、管理職に占める女性の割合を調べたところ、全体で8.2%で、最も女性の割合の高い「係長相当職」をみても 12.8%にとどまった。女性管理職の割合をみると、全体の7割以上の事業所に係長以上の女性管理職がいる一方で、「女性管理職なし」の事業所も2割以上となっている。

また、女性従業員は男性従業員と比べて管理職になることについて消極的な傾向にあることがわかった。男女従業員に、管理職になることを薦められたら引き受けるかどうか尋ねたところ、「引き受けない」「現時点ではわからない」の合計は、男性26.2%、女性54.9%で、女性の方が30ポイント近く高かった。

理由について聞くと、「現在の自分の能力では自信がないから」(男性42.6%、女性56.2%)が男女ともに最も多いが、「仕事と家庭の両立が困難」(男性15.3%、女性43.0%)と考える割合は、相違が見られる。

管理職になることについて

ポジティブ・アクション「進んでいる」は約半数

続いて、事業所及び男女従業員に社内におけるポジティブ・アクションの取組状況についてたずねたところ「進んでいる」「ある程度進んでいる」の合計は、50.6%だった。一方、従業員の「あまり進んでいない」「進んでいない」の合計は、男性51.3%、女性61.9%で、女性従業員の6割以上は取組が進んでいないと感じている。

事業所及び男女従業員に社内におけるポジティブ・アクションの取組状況

ポジティブ・アクションが進まない理由について聞くと、事業所及び女性従業員は「女性は家事・育児等の家庭生活のために配置や所定時間外労働に制約があるから」(事業所36.9%、女性38.0%)の回答が最も多かった。男性従業員は「女性自身が昇進を望まない、又は仕事に対して消極的であるから」(33.9%)と回答している。

また、ポジティブ・アクションを推進するために必要な取組について尋ねたところ、男女別で相違があることが明らかとなった。事業所及び男性従業員は「男女均等な待遇を確保する」(事業所20.2%、男性20.4%)が最も多い回答だったが、女性従業員は「女性従業員の勤続年数を伸長する取組を行う」(21.7%)という回答が最も多くなっている。