『機動戦士ガンダムシリーズ』最新作となる『ガンダム Gのレコンギスタ』を発表した富野由悠季監督

人気アニメ『機動戦士ガンダム』の生みの親である富野由悠季監督が20日、東京・台場にて行われた「35周年プロジェクト発表会」にて、最新作『ガンダム Gのレコンギスタ』を発表した。

富野監督によるこの新作は、漫画誌『ニュータイプエース』(角川書店刊)の中で最新プロジェクトとして2011年に明かされており、「Gレコ」や「Gのレコンギスタ」というコードネームで語られていたが、この日の発表で正式なタイトルは『ガンダム Gのレコンギスタ』であることが明らかに。舞台は、宇宙世紀の次の世紀「リギルド・センチュリー」に設定され、宇宙エレベーターを守る組織「キャピタルガード」のパイロット候補生、ベルリ・ゼナムの冒険が描かれるという。今秋の公開が予定されている。

富野監督にとってガンダムシリーズの制作は、2005年~06年に公開された劇場版『機動戦士Zガンダム』3部作以来約8年ぶりとなるが、完全新作としては1999年『∀ガンダム』(ターンエーガンダム)以来の約15年ぶり。富野監督はこの間を「ガンダム以降、どのように世代を乗り越えたメッセージを伝えていくかこの15年は本気で考えてきて、具体的に形にできずにいました」と振り返りつつも、「『Gのレコンギスタ』でようやく輪郭をみることができました」と笑顔も見せていた。

タイトルについては、「ガンダム」を冠し「G」にはガンダムも含まれるが「『G』の一番大きな意味は『ガンダム大地に立つ』のGround(グラウンド)の『G』です」と富野監督は説明する。そして「レコンギスタ」は造語と前置きしながら「『レコンキスタ』(Reconquista/再征服)からきています。が、極めて日本人的な感覚があり、濁点が入っていないと売れないから――『レコンキスタ』ではなく『レコン"ギ"スタ』にしたわけです」と、これまでの富野作品(『オーバーマン・キングゲイナー』『伝説巨神イデオン』など)と同様に濁点が入ったタイトルの由来を明かした。

そして富野監督は「これは明らかに『オリジン』と『ユニコーン』までのファンとは違う」としながら、「あなたたちファンが、今現在お育てになっているお子たちに見せていただきたい。お子たちに対して、それからお孫さんたちに対して、こういう物語があるよと伝えてほしい」と、まず子どもたちに伝えたい作品であることを強調。その背景には「『ガンダム』というフィールドの中からこういう形でつくることができるのではないか」という想いがあり、「この歳にしてよくやったと自惚れているところがあります。乞うご期待!」と自信を覗かせている。

最後に富野監督は「こういう場を提供していただいた関係各位には本当に感謝すると同時に、こういう場を持てるということは、実を言うと、ファンや皆さんがいたからこそできたことであるという意味で、本当に心から感謝しています。ありがとうございます」と改めて関係者と支えてきたファンに感謝を送っていた。

また、『ガンダム Gのレコンギスタ』のスタッフも公開されており、富野由悠季総監督をはじめ、キャラクターデザインを吉田健一氏、メカデザインを安田朗氏、刑部一平氏、山根公利氏。デザインワークスをコヤマシゲト氏、西村キヌ氏、剛田チーズ氏、内田パブロ氏、沙倉拓実氏、倉島亜由美氏が担当。そして、色彩設計を水田信子氏、美術を岡田有章氏、音楽を菅野祐悟氏が務め、このスタッフで新たなガンダムシリーズが描かれていく。公式サイトもオープンし、PVとともに富野監督の「元気のGだ!! ロボットアニメで目指すんだ!!」というメッセージも添えられている。

「ガンダム35周年プロジェクト」キービジュアル。左から『機動戦士ガンダムユニコーン』『ガンダム Gのレコンギスタ』『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』

なお、本日の発表会では、発表済みの『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』を2014年5月17日より、そして新たに『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』を2015年春よりイベント上映することも発表されている。

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