「第36回日本アカデミー賞」授賞式に出席したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー
撮影:荒金大介(Sketch)

「第37回日本アカデミー賞」における各部門の最優秀賞が7日、都内で発表され、スタジオジブリ・宮﨑駿監督の『風立ちぬ』が「最優秀アニメーション作品賞」を受賞した。

「最優秀アニメーション作品賞」は、1月16日に発表された「優秀アニメーション作品賞」の『かぐや姫の物語』『風立ちぬ』『キャプテンハーロック』『劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』の計5作品から選出。同賞のプレゼンターは、2012年度に同賞を受賞した『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督が務めた。

授賞式に登場したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、現地時間2日に米ロサンゼルスで行われた「第86回アカデミー賞」と同じく作務衣姿で登壇。細田監督からトロフィーを受け取り「ありがとうございます……といいつつ、ちょっと複雑です。というのは、去年ジブリは『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』の2本を作ってしまいました。あの、いろいろと(笑)。同じ年に2本つくるべきじゃないという教訓を得ました。ありがとうございました」と会場にひと笑い起こし、喝采を浴びながら降壇した。

最優秀音楽賞を受賞した作曲家の久石譲氏
撮影:荒金大介(Sketch)

また、最優秀音楽賞には『かぐや姫の物語』『東京家族』『風立ちぬ』の3作品でノミネートしていた作曲家の久石譲氏が『風立ちぬ』で受賞。マイクの前に立った久石氏は「3作も入っていたので、(票が)割れてとれないんじゃないかと思っていました。とても驚いています。ありがとうございます」と喜びを語りながらも「何かと作曲家が話題になりがちなんですが、今日受賞された方はみんな譜面も読めますし……書けます(笑)。幸い僕も自分で書いております! 念のため(笑)」と、昼に行われた佐村河内氏の謝罪会見に触れて会場を沸かせていた。

日本アカデミー賞の「優秀アニメーション作品賞」は2006年より始まり、過去の受賞作品は、2006年『時をかける少女』、2007年『鉄コン筋クリート』、2008年『崖の上のポニョ』、2009年『サマーウォーズ』、2010年『借りぐらしのアリエッティ』、2011年『コクリコ坂から』、2012年『おおかみこどもの雨と雪』。『風立ちぬ』は「第86回アカデミー賞」長編アニメーション映画賞の受賞は逃したものの、スタジオジブリ作品としてはこれで4度目、宮崎監督作品としては2度目の受賞となる。