アートディンクは2月7日、「A列車jp Presents 貸切路面電車で行く A列車で行こう3D 体験の旅」を開催した。2月13日に発売された新作ゲーム『A列車で行こう3D』をいち早く遊べるイベントだ。当日は平日にもかかわらず、30名以上のゲーム&鉄道ファンが参加。開発者やゲームの秘書キャラクター本人(?)も登場して盛り上がった。

『A列車で行こう3D』は、ニンテンドー3DS対応の都市開発鉄道シミュレーションゲーム。プレイヤーは鉄道会社を経営し、線路や駅を整備し、列車を運行して街を活性化させる。子会社として町に建物も設置できる。PC版として約30年の歴史あるシリーズで、TVゲーム機版、携帯アプリ版など多方面に展開している。

『A列車で行こう3D』プレビュー画面。実際は立体的な3Dグラフィックで表示される

新機能のひとつ「マップ外路線の複線化と進行方向指示」。A列車シリーズ全体を通じてファンからの要望が多かった

今作『A列車で行こう3D』は、遊びやすさで定評のあったニンテンドーDS版『A列車で行こうDS』の進化版だ。プレビュー画面を3D化しただけでなく、貨車や駅、子会社の種類を増やし、列車の運行、会社経営、街づくりの各要素をパワーアップしているという。鉄道ファンはもちろん、「日本の風景で箱庭ゲームをやりたい」というゲームファンにも楽しめる内容とのこと。

なんと、秘書役「赤羽美紅」さんは実在していた!?

イベントの告知では、「貸切路面電車に乗り、都内某所で開催」とされ、当日まで場所などは公開されなかった。でも鉄道ファンなら、都内の路面電車で貸切といえばピンとくるはず。正解は都電荒川線で、開催場所は荒川車庫。東京都交通局の協力の下、「都電おもいで広場」の保存車両2台が提供された。参加者は大塚駅前停留場から貸切電車に乗車して来場した。アートディンクによると、都電荒川線でイベントを企画した理由は、「ゲーム内でシリーズ初の併用軌道(道路上に軌道がある)が採用されたため」だという。

会場となった都電おもいで広場(写真左)。案内役は秘書の赤羽美紅さん(同右)

社長秘書の赤羽美紅はプレイヤーをサポートするキャラクターのひとり。似てる!?

都電おもいで広場に集合すると、赤い服を着た女性がガイド役として登場した。ゲーム内でプレイヤーをサポートする秘書役の赤羽美紅さんだ。モデルさんやキャンペーンガールではなく、彼女は今作の開発スタッフのひとり。会社ではディレクターの飯塚正樹氏の正面に座っており、公式サイトの制作も担当しているとのこと。なんと、赤羽美紅さんは実在の女性がモデルだった!?

秘書からひとりひとりの参加者に製品版のROMカートリッジが貸与され、それぞれが電車内へ。今作は2011年のニンテンドー3DS発売告知と同時に開発が発表され、何度か発売時期が延期されていた。それだけに心待ちにしていたファンも多かった。体験タイムが始まると、全員が自分の愛機でプレイ開始。ゲームに熱中し、黙々とプレイを続けている。ものすごく盛り上がっているにもかかわらず、全員が下を向いて静かになっている。ゲームイベントとしては珍しい展開?

旧7500形(黄色い電車)の車内の様子。車内広告はすべて、『A列車で行こう3D』のポスターになっていた

5500形(白い電車)の様子。昭和のジオラマや都電全盛期の資料が展示されている……けど、誰もがゲームに夢中

飯塚ディレクターへ質問コーナーが設置されていたけれど、寒さのせいか、飯坂ディレクターも電車内でファンと交流。この参加者は、「ゲームに時代の変化という要素があるので、昭和時代っぽい衣装で来ました」とのこと

事前の説明で、画面写真の撮影OK、ゲーム内容のネット公開もOKとされていただけに、Twitterで報告する人、スマートフォンで撮影する人の姿も。赤羽美紅さんが巡回して操作方法をサポートしてくれた。体験タイム後半になると、開発ディレクターへ質問する人も現れた。ゲーム開発者もプレイヤーも手応えのあるイベントになったようだ。

参加者におみやげ & 都電荒川線の電車出庫体験も

体験会の参加者には使い捨てカイロのほか、記念品としてICカード乗車券に貼るシールやICカードホルダーがプレゼントされた。ROMカートリッジは返却してしまうけれど、セーブデータやスクリーンショットは各自のニンテンドー3DSのSDカードに保存されるため、今後、製品を手にした場合は、この体験会で遊んだ続きからプレイできるという。これも大きな魅力だったようだ。

貸切電車に使用された7000形(右)。選ばれた理由は、「座席定員が最も多い(22名)から」とのこと。撮影する報道陣のために、発車前の電車にプレートを置いていただいた

参加者にプレゼントされたICカードホルダーとICカードジャケット。ICカードジャケットは仮想鉄道会社ARという設定で、カード名称は「ARpa」(アルパ)、キャラクターはアルパカ。有効期間表示が新旧の発売日という自虐ネタになっていた

帰りの貸切電車でも、鉄道ファンにとってのサプライズが。停留場から貸切電車に乗車する予定が、都電荒川線スタッフの好意で車庫内から乗車。つまり短い区間とはいえ、普段は乗車できない出庫線に乗れて、スイッチバックも体験できた。ゲームプレイと同じくらい喜ぶ参加者たち。いかにも鉄道ゲームらしい体験会となった。