堀北真希が主演を務める現在公開中の映画『麦子さんと』のタイトル秘話が、このほど明らかになった。

昨年10月末に行われた映画『麦子さんと』の試写会(左から松田龍平、堀北真希、吉田恵輔監督)

堀北にとって2年ぶりの主演作となる本作は、『純喫茶磯辺』、『さんかく』などで知られる吉田恵輔監督が構想に7年を費やし、脚本も手掛けた作品。アニメ好きのオタク女子・麦子と、家庭を捨てたはずの母・彩子との絆を描いている。主人公の麦子を堀北真希、頼りなくてだらしないギャンブル好きの兄役を松田龍平、母親役を余貴美子が演じたほか、温水洋一、麻生祐未、ガダルカナル・タカといったユニークな面々が脇を固める。

2008年に公開された吉田監督作『純喫茶磯辺』。宮迫博之演じる裕次郎は、濱田マリ演じる妻との離婚後、父の遺産で純喫茶を開業する。その妻の名が"麦子"で、同監督作の『机のなかみ』(2007年)に出演した踊り子ありの所属する劇団スタッフの名前から採用。その名が劇中で呼ばれることはなかったが、どことなく愛着を感じていた吉田監督は、次回作のヒロインの名にしようと計画していた。

また、当初は"麦子さんと"の後に固有名詞などを入れることも考えていたが、結局はそのままタイトルに決定。ちなみに、2010年に公開された同監督作『さんかく』も、当初は"さんかく四月"と韻を踏んだタイトルを予定していたが、7月の設定になったことで"さんかく"のみが残ることとなる。年間約1,000本の映画を鑑賞し、泣ける作品を選出している"涙ソムリエ"こと嵯峨崇司氏は、これらのタイトル秘話を受け、「麦子さんと、この次にはどんな言葉が続くのだろう。麦子さんと母、麦子さんと兄、麦子さんと…。思いっきり泣いた後はきっと笑顔で帰れます。大切な人のもとへ」とのコメントを寄せている。

(C)『麦子さんと』製作委員会