日本オンラインドラッグ協会(JODA、理事長:後藤玄利ケンコーコム代表取締役)は11日、現在開催中の第185臨時国会において審議予定の薬事法改正法案について、田村憲久厚生労働大臣と小松一郎内閣法制局長官に対し、審査記録の開示請求を行った。

同協会は、「厚生労働省と内閣法制局による法案審議における過程で、いかなる医学的科学的根拠に基づきかかる規制の必要性および合理性に関する検討が行われたかを確認する」としている。

市販医薬品のインターネット販売に関しては、2013年11月6日、田村厚労大臣の会見で、スイッチ直後品目についてインターネット販売を一定期間禁止し、劇薬のインターネット販売を禁止する法案を第185臨時国会中に提出するとの方針が発表されている。

同協会は、田村厚労大臣の会見では、スイッチ直後の3年間、23品目のインターネット販売が禁止される合理的理由が示されることはなかったと批判。「スイッチ直後品目をはじめとする全ての医薬品について、合理的根拠なくインターネット販売のみを禁止する違憲法案の提出には断固として反対」するとしている。

また、同法案により、スイッチ直後品目等のみならず、処方箋医薬品についても対面を義務付ける改正を行う可能性があると指摘。厚生労働省はこれまで、処方箋医薬品のインターネット販売規制について「なんら具体的な検討」を行っていないとし、「このような混乱に乗じた安易な法案提出によって規制を実施することはおよそ認められるものではない」と批判した。

その上で、医師の診断のもとに、個々の患者に処方される処方箋医薬品は、一般消費者が薬剤師の指導助言に基づいて、自ら選択する一般用医薬品とは検討すべきリスクの内容が大きく異なるとし、「国民に広く理解を得るためにも、処方箋医薬品の取り扱いについては、透明性が確保された検討の場をあらためて設定し、調剤制度の特性を踏まえて科学的かつ合理的に議論する必要がある」との考えを示した。

さらに、このまま立法事実の有無について検討されることなく、処方箋医薬品の対面義務化の法案が出されることになれば、同協会会員社により「行政訴訟が提起される可能性もある」と述べた。

一方、インターネット販売ルールが確立されていない状況は早急に解消する必要があり、法制化は迅速に行われなければならないとし、そのためにも、「まずは合理的根拠のある一般用医薬品のネット販売ルールに絞って迅速に法制化を行うべきである」と主張した。